※R15
臨也がメロメロ乙女な感じです










「…っン…!う、んん…は…ッシズ、ん…」
家主が喫煙者だからだろうか、僅かに黄色みを帯びた壁に押し付けられて、息も継げない激しい口付けを送られながら臨也の視線は向かい側の壁に注がれていた。もうちょっと煙草の量減らせばいいのに、だとかせめてベッドに行こうよ、だとか取り留めのない思考が浮かんでは消える。しかしそれらを留めておくだけの余裕など熱に浮かされた臨也にはあるはずもなかった。

「ッは…あ…!は…」
互いの唇が離れる頃にはそんな思考も溶かされて、自らを支える力の入れ方すら脳に伝達されない。ずるずると壁伝いに崩れ落ちた臨也を玄関の床板に縫い付けるようにして覆い被さった静雄は口端を上げた。
笑みを象っていてもその瞳に宿るのは焦燥にも似た余裕のない光で、臨也はバーテン服の白い布地を力の入らない手で押し返す。
「待っ…シズちゃ、せめて、ベッド…っあ!」
「…無理だ」

しかし通常時ですら力の差は歴然である静雄に今の臨也が勝てるはずもなく、彼は臨也の抵抗など無いもののように首筋に顔を埋めた。途端に先程から耐えていた痺れが背筋を駆け上って臨也の口をついて出る。
「お前、何かあっただろ」
「んんッ…あ、は…、や…ッう」
普段から敏感な方だったが、今日の臨也は輪をかけて反応を見せていて、それに気付かない静雄ではない。シャツの中に手を差し込んで既にたちあがっている胸の突起を摘むとそれだけで細腰は艶めかしく揺れた。
「何があった?」
詰問するように指先に僅かな力を込め、爪をたてると過ぎた快楽にいやいやと首を振る。普段は見られない妙にしおらしい仕草に静雄がつい本来の目的も忘れて嬲っていると観念したように薄い唇が開いた開いた。
「…ッしん、らの…くす、り…あ…っの、んだ…ら…ぁッ」
「薬?手前が大人しく飲んだのか?」

息も絶え絶えに紡がれる答えはどうにも静雄の腑に落ちない。折原臨也は職業柄もあって例え友人であっても信用しない、警戒心の強い男のはずだ。一方の臨也は問われた瞬間動揺を見せ、言い辛そうに視線を逸らしたが続きを促すように摘まれれば言わざるをえない。
「ンぁ、ッ…シ、シズ…ちゃ、ん…最近…つめたかっ…から、飲めば、おれ…見てくれる…って」
全てを吐かされた瞬間羞恥に耐えきれないというように両腕で顔を覆ってしまった臨也を前に静雄は暫し言葉を失っていた。

「…っこの、性悪」
我に返った彼から突いて出たのは悪態。わざとやっているのかと思えるくらいに人の欲を煽りたてる言動と仕草をする臨也の腕を押さえつけて、仄かに赤い耳元に唇を寄せる。
「見てねぇとこがないくらい見てやるから、覚悟しろよ手前」
そう囁いた静雄の耳が赤く染まっていたのは、薄暗闇に混じりあって臨也の目に止まる事はなかった。









「背中痛い。喉痛い。腰痛い。本っ当最悪。普通あんなとこで3回もする?玄関だよ玄関!俺のうちみたいにふわふわの敷いてるならともかくシズちゃんちの玄関マット超固いじゃん。あんなのあってないようなものだよ。シズちゃんは上に乗ってるからいいけど俺の玉のような肌が傷ついたらどうしてくれんのねぇ聞いてる?シズちゃん」

翌朝、下着一枚というどうにも男の矜持を崩されかねない格好で静雄が臨也の説教を延々受け続けたのはまた別の話である。




ラブ・ウイルス
(次はぜってぇ、黙る薬を新羅に貰ってきてやる…!)









しば様から頂きました
「シズイザで媚薬ネタ」というリクエストでした。できればR指定という事でしたが18まで行き着く事が出来ませんで申し訳ございません…!
本来なら上や挿入だけでイってしまう臨也とか書きたかっtt(変態)
最後は先日某所で話題にした大型犬静雄で。後日二人はふわふわな玄関マットを買いにいきました。
しば様、リクエストありがとうございました!







「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -