※モブ×臨也
性描写有






その日、臨也がその道を通ったのはほんの偶然だった。
授業の終わりと共に始まった鬼ごっこに静雄をまく形でひとまず蹴りをつけ、自宅までの最短ルートとして通った公園。

空はもう夕暮れから宵闇への移り変わりを見せていて逢魔が時の静謐さを周囲に与えている。

昼間は無邪気な子供の声が響いていた公園も例外なく不気味な静けさに包まれていた。それが年端もゆかぬ少女ならば、警戒心を覚えて遠回りをしてでも人気のない道を避けただろう。
しかし、臨也は齢17にもなろうかという男子であるという自負がある。自らが欲望の対象になることなど、予想もしていなかったのだ。自分の容貌が飢えた獣にどんなにか魅力的に映るかなど。



「あの、すみません」
そう弱々しげに男が声をかけてきたのはもう少しで公園から歩道へ出る道へ差し掛かる時だった。
臨也がそちらに目を向ければそれは気弱そうなサラリーマン風の男で、年は40半ばといったところだろうか。
「はい?何でしょう」
周囲を窺うようにおどおどと辺りに視線を配る男に臨也は普段の胡散臭いと評される笑顔も忘れて訝しげに問い掛ける。

しかし次の瞬間男は打って変わったような俊敏な所作で臨也の腕を引き、近くの茂みへと押し込んだ。
「…っ、な…」
今までの態度からは予想もつかないその敏捷さに抵抗どころかろくな反応も返せずに身体が芝生に押さえ込まれる。

仰いだ先に気弱そうな男の顔はなく、そこには瞳を情欲にぎらつかせて息を荒げる男の顔があるばかりだ。
「やっぱりあんたみたいな方が引っかかりやすいだろ?」
不意に頭上から声がかかると同時に腕を頭上で固定される。品定めするように臨也の顔を覗き込んだ新たな陵辱者は一人目とは違ってだらしなくよれた柄物のシャツを着込んだ頭の軽そうな中年男で、下卑た笑みを浮かべながら視線で合図した。

その合図に跨っていた男が動く。中年特有の脂の乗った手が開いた学ランの裾から忍ばされ、赤いシャツ越しに臨也の突起を探るように撫でた。
次第に生理的な反応でぷっくりとたち上がり始めたそれを打って変わって嬲るように爪先を使って弄られれば嫌悪感が背筋を這い上がる。
「い、や…だッ、止めろ、変態…っ」

必死にもがいて暴れてみても体格の良い男達は痩身の臨也の抵抗などものともしない。
それどころか上品さすら覚える綺麗な顔立ちの青年から口汚い罵倒が漏れたことにより興奮を覚えたふうだった。
「いいねぇ、屈辱的な表情が似合うね、君は。おじさん達普段は優しいんだけど……虐めたくなっちゃったなぁ」

頭上の男は手持ち無沙汰にもう一人の暴挙を眺めていたが、それにも飽きたのか白い耳朶に無精ひげに囲われた分厚い唇を寄せてねっとりと囁く。
「ひ…っ」
形の良さを確かめるように耳朶の端から舐め上げられれば、走った悪寒に漏れる引きつった声を聞き咎めるような者は幸か不幸か、周りにはいなかった。













この臨也さんは原作寄りなちょっと潔癖で自分の容姿の良さにあまり自覚のないイメージです。





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