※養子静雄(16)×保護者臨也(23)
今はまだシズ→イザ
静雄が臨也に絶対の信頼を置いている
捏造万歳!











平和島静雄、16歳。
この春めでたく来良学園高等学校に入学した彼には抱える一つの問題があった。
それは保護者にして同居人である美貌の情報屋・折原臨也のことだ。

外聞も遠慮もなく言ってしまえば、静雄は臨也に恋をしている。


それは初めは刷り込みのようなものだっただろう。
臨也は自分をあの畏怖と哀れみしかない場所から連れ出してくれた人。
静雄にとって世界の全てのような存在だったから。

静雄が自分を神聖視にも近い気持ちで見ていたことを臨也自身も知っていて、だからこそ臨也は静雄の気持ちに気づいていたとしても受け入れる気はないし、変化した心にも気づいていない。
それが今青年を悩ませているとも知らずに。


「…風邪ひくだろ」
そう、人一倍心の機微に聡いはずの臨也は時折ずるい程に静雄の前で無防備な姿を晒すのだ。
今の自分の気持ちに臨也が気づいているか否か静雄にはわからないけれど、気づいてやっているのだとしたら相当性質が悪い。
こんな風に、何の警戒もなくリビングのソファで寝姿を晒すなんて。

昨日は徹夜で仕事でもしていたのだろうか、今朝静雄が起床した時には臨也は既に起きていた。あまり眠そうな様子は見せないもののどこかぼんやりした臨也はいつも通り、育ち盛りの身体に見合った量の美味な朝食を作って静雄を送り出してくれた。しかし静雄が学業という一日の責務を負えて帰宅してみればそこにはあまりにも無防備な姿。

それは心を許されているという見方も出来るが、一方で全く意識されていないと言ってもいい。

「臨也」
彼の横たわるいかにも高級そうな革張りのソファの横に膝をつき、唇に乗せた名前は相手の耳に届くことはない。

「臨也、臨也…いざや」
それでも構わないと、今日一日離れていた時間を埋めるように静雄は臨也の名を呼ぶ。普段は破壊を生み出してばかりの掌は壊れ物を扱うように白い頬へとそっと添えられ、白の中淡く色付く桜色が目に留まった瞬間、静雄は衝動的に唇を重ね合わせていた。

それは恋人達の交わすような激しいものではなく触れるだけの酷く幼いものだったけれど、彼は言いようもない満足感で胸を満たしてゼロだった距離をあける。
「…すぐ大人になってやるから、俺を見ろよ」
眠る麗人に宣戦布告を告げて、まだ締めなれないネクタイを緩めながら自分の部屋に向かう静雄が気づいていたら事態は静雄が思うよりもう少し早く進展を迎えたであろうか、それは定かではない。
ただ抜けるようにどこもかしこも白い彼の肌の中唯一、赤く染まった耳の存在だけが一つの事実を明瞭に示していた。


「元々シズちゃん以外見えてないっつーの…」




終焉のメロディーと共に祝杯を









お試し年下静雄×年上臨也でした。年下攻は良いですね。




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