※愛情窒息死続き
性転換折原姉弟注意










「ねぇシズちゃん、これどう?」
あの後適当に飯を食って新しい携帯を契約し(ちなみにお揃いになった)開通までの時間潰しも兼ねて、俺達はサンシャイン内を散策していた。
立ち寄った洋服屋の中であいつが手にしたのは白いレースがあしらわれた清楚なワンピース。
「…ああ。」
それは白い肌によく映えて似合っている、が素直にそんな言葉が言えるはずもなく告げた返答に不満げな視線がかぶさる。
「シズちゃん、適当に返事してるでしょ」
「してねぇよ」
一度臍を曲げると長いこいつに即座に否定してはみるが疑いの視線は晴れないままだ。

そこにそんな状況を打破するだころか、しっちゃかめっちゃかにひっくり返す嵐が降りかかる。
「おっねえ、さまー!」
「久(久しぶり)」
不意に、服を掲げて無防備になっている脇の下から覗く学生服を纏う腕があいつの胸元に伸び、柔らかそうな両胸を鷲掴んだのだ。ちなみに腿はもう一方から伸びる手に撫で回されている。
…身内とはいえ触りすぎだろ、コラ。
「ひ…ッ!…ク、九瑠璃、舞流…何でここに」
明らかに顔を強ばらせて身を翻す臨美が呼ぶのは双子の弟の名。

きっちりと学ランを着込み眼鏡をかけた模範的な優等生然とした少年と、対照的にシンプルなジャージに身を包んだ活発そうな少年。一見そんな印象の少年達が実は外見とは正反対の中身であることも、姉をも凌ぐ変わり者である事もよく知っている俺はひとまず臨美を背に隠してやる。こいつは昔から弟達の事を苦手としているのだ。

「何でって、俺達が来良に入学した事知ってるでしょ?臨姉」
「遊(遊びに来た)」
「って、まだ高校生は授業ある時間じゃねぇのか?」
同じく来良に通う知り合いの少年達の行動時間はもう少し遅かったはずだ。
「…それはねぇ?クル兄」
「早(自主早退)」
「つまりサボリじゃん、それ。補導されるぞ」
いっそされてくれと言わんばかりにげんなりした口調で俺の影から零す臨美に舞流が姉に似た整った顔を近付ける。
「よく言うよ。臨姉だってよく静雄さんとサボってたじゃん」
「あれは仕方ないの!逃げないとシズちゃんに殺されるって状況だったんだから」

…俺は本気でこいつを殺そうとした事はあまりないと声を大にして言いたい。

「殺される〜?犯されるの間違いじゃないの?あ、それは逃げる必要ないか」
「淫(臨姉、やらしい)」
「…っな…!!」

……俺は強引にこいつに迫ったことはないし、そもそも高校時代はそんな経験したことがないと声を大にして言いたい。

つーか、

悪かったな!ついこの間まで童貞だったんだよ俺は!!!





そんなことを店のど真ん中叫ぶ訳にもいかず、多大なる主張は俺の中でくすぶりつつ消えた。











エピローグのつもりが想定外に長くなりました。でも双子が出せたので悔いなし…!









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