TF 100題 | ナノ





0030:お姫様が飛び起きた(メガププ)



*A軍D軍和解前提。



「ん…もう朝か…?」

オプティマスはスリープモードを解除して意識を浮上させた。
気怠い体を動かそうとするが、何故か体は動かない。はて、と不思議に思いながらよく見ると、逞しい腕の中に抱き込まれている状態に気が付いた。
誰だ?と訝しんだ時、ふと思い出した。
昨晩、メガトロンと接続してそのまま眠りについたのだ。初めは触れ合うような軽いキスから始まって、その後すぐに押し倒されて。メガトロンの巧みな愛撫に頑なな体はすっかり蕩かされ、激しく求め合った。
何度もはしたなく喘いだ昨晩の自分を思い出してはあぁ…と赤面してしまう。
メガトロンはまだ起きる気配が無い。
気持ち良さそうにイビキをかくメガトロンを見つめながらオプティマスは迷う。

(どうしよう、先に起きるか?でもまだこの無防備な寝顔を見ていたいな…)

ふふふ…と笑いながらメガトロンの頬を撫でる。
しばらくそのまま穏やかな時間が過ぎていった。腕の中の温もりにまたうとうとし始める。

(いっそこのまま二度寝しようかな…)
『ーおいオプティマス!まだ寝てるのかテメェは!?』

眠気でぼんやりしたブレインでそう思い始めた時、いきなり大音量の通信が飛び込んで来てオプティマスは飛び起きた。
腕から抜け出したせいか、メガトロンが不機嫌そうに唸る。
驚き過ぎてバクバクとポンプの回転が早くなるのを必死で抑えようと胸部に手をあてて排気する。
通信のアラームは此方がビビる程に未だ鳴り止まない。何なのだ。
少し落ちついたオプティマスは恐る恐る通信回線を開くが、やはり飛び込んで来たのはセンチネルの喚き声だった。

「朝から一体何なんだ君は…」
『何なのだ?じゃ、ねーよ!テメェ今日が何の日か忘れたのか!?』
「え?今日?今日は………えっと、まさか君の誕生日かい?」

センチネルの怒鳴り声がますます激しくなった。
どうやら違うようだ。

『今日はこの!センチネル様の!新総司令官就任式だよ!!昨日あれ程出席しろと言っただろーが!!いつまでも寝ボケてんじゃねー!!』

そしてすぐに呆れ果てた口調で言い放った。

(新総司令官就任式…?)

「ああぁぁぁーー!?わ、忘れてたー!!」

全てを理解し、全てを思い出したオプティマスは事の重大さに気付いて絶叫した。
慌ててベッドから抜け出そうとメガトロンを押し退けようとするが、何故か腕を掴まれてまた拘束されてしまう。

「メガトロン、離してくれ!就任式に遅刻してしまう!」
「…あんな顎の式などバックれればいい。どうせ遅刻確定だろう。我の傍にいろ」
「だけど新しい総司令官の就任式を、オートボットの私が出席しないなんて…許されないだろう!?」
「ふん。後で我が上手く言っておく。彼奴など気にするな」
「メガトロン、ちょ、ちょっと待ってくれ!ダメ、だ、こんなめでたい日に私とお前がこんな事……ん、ンンッ…」

完全に組み敷かれ、抜け出す事が出来ない。焦るオプティマスを面白そうに笑いながら見下ろすメガトロンに顎を掴まれて強引に唇を塞がれる。
啄ばむような口付けに焦る気持ちが蕩かされる。またほぐすような優しい愛撫も施され、次第に力が抜けてゆく。
抗えない快楽の誘惑にオプティマスは負けてしまう。

(だめだ…もう欠席確定だな…すまないセンチネル…)

今頃憤怒の表情で演説台に立っているであろう親友へ心の中で詫びるオプティマスは、せめてもの仕返しだと勝ち誇った顔をするメガトロンの首筋に思いっきり噛み付いた。


(終)

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