TFA短編 | ナノ

2014.ハロウィンリクArinさんへ メガププ

*【TFAのメガププで、ププがメガ様に無理やり猫コスプレを着させられるドタバタ系なハロウィンギャグ小説】という内容のリクエストを頂きました。



「オプティマス、突然だが我の事を愛しているか?」
「…急に人の部屋に押し掛けて何なんだ一体…」
「いいから答えろ!貴様は我を愛しているか?」
「あ、う、うん…もちろん愛してるよ?」

両肩を掴むメガトロンが異様な迫力でオプティマスに迫る。
あまりの迫力に面食らうが、呆気に取られながらも首を縦に振った。
そうか…とメガトロンは納得して頷いたかと思えば、突然両頬を掴んでキスをして来た。
不意打ちのようなキスにオプティマスは驚いて固まってしまう。
しかも何度も何度もしつこくキスをして来るものだから、はたから見ればイチャついてるバカップルにしか見えないだろう。
そんなリア充経験など皆無なオプティマスはさすがに恥ずかしくて堪らない。
慌ててメガトロンの顔を引き剥がした。

「ぷはっ!い、いきなり何をするんだ!」
「愛しているならキスは当たり前だろう?」
「〜〜あ、あのなぁ………」

悪びれもせずしれっと言うメガトロンに目眩がした。
しかもまた頬にキスをしようとするし、どうせ何度怒られても止めないだろう。オプティマスは諦めたように排気した。もう好きにしてくれ、と体から力を抜く。
メガトロンは嬉しそうに笑うと、途端にキス攻撃が始まった。

「もう、くすぐったいよ…」

顔中に降り注ぐ唇の感触がくすぐったくて思わず笑ってしまう。

(でも、今日はやけに甘えて来るなぁ)

「なぁ、一体どうしたんだ?」
「実は貴様に頼みがあるのだ」
「頼み…私に?」

真剣な表情で見つめて来るメガトロンにオプティマスは気圧された。
何だろう。あのメガトロンの頼みだなんて、余程の事情があるのだろうか?
オプティマスも真剣に内容を聞こうと居住まいを正す。
それを見たメガトロンは顔を綻ばせる。

「聞いてくれるのか」
「もちろん。愛するメガトロンの頼みなら断るはずがないさ」
「そうか!聞いてくれるか!我は嬉しいぞぉー!オプティマスゥー!!」

感極まると言わんばかりに突然抱き締められた。ついでにまたキスしようと顔が接近して来るが、さすがにもうしつこいので右手で顎を押し退ける。

「あ、ありがとう。それで、私に何をして欲しいんだい?」
「今日はハロウィンだな?」
「ハロウィン?…ああそうだな。今夜は基地で仮装パーティをやるんだ。メガトロンも一緒にどうだ?」
「もちろん行くが、我が貴様にピッタリの衣装を用意してやったのだ。着てくれないか?」
「え、お前が?………なんか嫌な予感が」
「クックック…これだ!【萌え萌えにゃんこセット】!ふわふわな黒猫耳、尻尾、肉球、さらには鈴付きの首輪に黒フリルパンツ!殺人的に可愛いこのコスをして我を誘惑しろにゃんこププ「ウルトラパーンチ!!」ーーーーぐはぁっ!?」

やっぱりそう来たか!
予想が当たったオプティマスは問答無用で助平笑いを浮かべる顔面に拳をめり込ませた。
悲鳴を上げながら床に転げ回る破壊大帝を冷めた目で見下ろす。

「私は帰る」
「待てぇぇぇいオプティマスゥー!」

そのままくるりと背中を向けて歩き出そうとした右足をがっしり掴まれた。強く握られて嫌な音がする。まずい、とオプティマスは青ざめる。これではこの変態から逃げられない。
それならばと左足でゲシゲシと頭を踏みつけるが、メガトロンは意地でも離そうとしなかった。
それどころか足を引っ張られて尻餅を付いてしまい、すぐさま下に引き寄せられてしまう。

「い、嫌だ!私は絶対そんなもの付けないからな!離せ変態!ど変態!!」
「ククク、まるで小娘のような可愛い抵抗だなぁ?無駄無駄無駄ぁ!諦めて萌えにゃんこになれぇーーーい!そして今宵のハロウィンパーティーは萌えにゃんこで出ればよい!」
「嫌だーー!!」

オプティマスは必死で殴る蹴るが、こういう時のメガトロンは何故か無敵状態で全く効かない。
床を転げ回りながら組んず解れつ暴れまくった二体だったが、メガトロンは嫌がるオプティマスを素晴らしい早業で強引に変身させることに成功する。

「オォゥ…なんと萌えるにゃんこなのだ……イイぞイイぞにゃんこププ…!くうぅ…!」
「く、屈辱だこんな格好…!」
「母ちゃん産んでくれてありがとうサンキュー!」
「…そんなに見たかったのか…?」
「モチのロン!」
「そーかそーか良かったなぁ………なんて言うと思うかこの変態!この、この!」

何が嬉しいのか感無量と言わんばかりに震えながらハァハァ排気するメガトロン。
一方、強引に萌えにゃんこにされてしまったオプティマスはオプティックに冷却水を滲ませながら肉球付きの猫パンチを繰り出していた。
だが柔らかな素材の為にちっとも痛くない。
むしろ猫パンチをされるうちにメガトロンの萌えゲージは急上昇して逆効果だ。
そうなると必然的に黒フリルパンツと尻尾に熱い視線が集中してしまうわけで。
ハッと不埒な視線に気が付いたオプティマスが逃げようと立ち上がるが、もう遅い。
右ストレートの猫パンチを余裕で受け止めたメガトロンが満面の笑みを浮かべて言った。

「オプティマス、愛しているぞ」
「に……にぃやああぁーーー!?」

押し倒され絶叫する黒にゃんこ。
今夜のパーティーに出れるのか自信が無くなって来たオプティマスだった。


(終)


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