TFA短編 | ナノ

これぞ詐欺商売(メガ+スィンドル)

*メガププ前提ですがププが一切出て来ません。





正直に言えば、メガトロンの返答はスィンドルにとって意外であった。
オプティマスプライムに並々ならぬ執着心を抱く破壊大帝が、まさかこんな冗談みたいな企画に賛同するとは思わなかったのだ。
我ながら守銭奴の道を地で行くと自負しているスィンドルは「あ、えーと…本当によろしいので?」などと、今だに信じられない様子で何度もメガトロンに確認する。
メガトロンはそんなスィンドルの狼狽ぶりを一笑する。

「ああ、構わぬぞ。貴様が考えたその企画なかなか面白いではないか?見返りに売り上げ4割を我に寄越せよ」
「はい!?そ、それはもちろん!…ですが、本〜〜当によろしいんですね?あの、オプティマスプライムのレセプタを模ったオナホールを商品化して売る話…」
「なんだ、今さら止めるのか?止めるなら好きにするがいい。ただし我の許可無く奴のレセプタ型オナホを作る事は未来永劫許さん」
「いえいえメガトロン様の許可が頂けるならそれは遠慮無く稼がせていただきますですね〜!ただ少し意外と申しますか、メガトロン様なら絶対許さないだろうなーと思い込んでいましたので〜」

正直に本音を言えば、メガトロンは一瞬赤いオプティックを薄く細める。射抜くような視線にスィンドルはギクリと機体を竦めた。

「本物はすでに我の所有物だ。そんな贋作などどうでもいい。ああそれから頼みがある」
「はい?」
「そのオナホをオートボット共にも売り付けてみろ。オプティマスを狙う奴はまだいるからな。もし自分の知り合いがそんなモノを使っていることを知った時の顔を見てみたいのよ」
「(うへぁっ…)な、なるほど〜」

口元は緩やかな弧を描いてはいるが、笑ってはいない。残酷な光を灯す赤色はディセプティコンカラーの象徴なのだ。
今のメガトロンは、とにかく恐ろしい。

(…久しぶりにこの方のあんな顔を見ましたねぇ…)

一体オプティマスプライムとの間に何があったのか分からないが、こんなプライバシーの侵害も甚だしい屈辱的な商品の販売を許可するなんて余程の事情があったのか?
…まあ、商売人スィンドルにとって当人同士の事情など興味は無いが。

「ではさっそく頂いたデータを元に試作品を作りますね〜。あ、せっかくですから試作品のモニターをやってみませんか?」
「モニター?」
「試作品の性能や効果を実証するためのサンプリングですよ。メガトロン様の他に…う〜ん後2体のモニターが欲しいですね〜」
「ほう。ならばとっておきの人材を2体知っているぞ。試作品が出来たら我に寄越せ。着払いで送り付けてやる。クックック…」
「了解!ですよね〜!」

酷く楽しそうなメガトロンを見ながら、一体どんなトランスフォーマーなのか知らないがたぶんロクな奴らでは無いのだろう…とスィンドルは思った。
まあ稼げるしどうでもいいか。


ーーこうして、本人無許可の『この感触、本物そっくり!ププたんの濡れ濡れオナホール☆今夜はしっぽり大感謝祭(仮)』商品化計画がスタートしたのであった。




そしてその後、送り主はオプティマスプライムの名前で、ウルトラマグナスとセンチネルに試作品が着払いで送り付けられたそうな。
それを知ったオプティマスが、泣き喚きながらメガトロンに向かって試作品(使用済み)を投げつける光景を部下達が目撃したと言う。


ちなみに、例のオナホールはメガトロンも予想外の大ヒット商品となり、悪徳商人によって今日も闇ルートで売りさばかれている。


(終)


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