TFAお題小説3 | ナノ





05.二人の体温(センププ)



(…最近変だな、俺)

ふとそう思う時がある。
おかしな話だが、朝から晩まで同居人であるオプティマスの顔が頭の中から離れないのだ。
穏やかに微笑む顔や、仕事の愚痴を聞いて少し困ったような顔をするオプティマスを思う度に妙な気持ちになってしまう。
じわじわと胸のスパークが熱くなってズキズキと痛みすら感じる。
こんな気持ちはたぶん生まれて初めてだ。考え過ぎて仕事になりゃしない。
これではまるでーー…
そこまで考えたセンチネルは慌てて頭を振った。

「ありえねぇ!あいつは男でオプティマスだぞ!?だいたいどうしてこんな事になったんだよっ」

自分以外誰もいない執務室で机を叩き付けながら立ち上がるセンチネルだったが、すぐにブツブツとボヤきながら座り直した。
はぁーっ…などと排気しながら、もうこれ以上考えたくないのにやっぱり考えてしまうのはオプティマスの事ばかり。

「またかよ…どんだけオプティマスが好きなんだ俺………あ?好き?俺があいつを?俺はっ…………」

そうーーー言えば、昨日の晩。
おぼろげな霧が次第に晴れてゆく。センチネルはだんだん思い出していた。
その日の夜は仕事のストレスでかなりキツいオイルを飲みまくった後で、疲れたからとセンチネルは先に自分の部屋で休んだのだ。
が、夜中になんとなくスリープから覚めたセンチネルは、まだ起きていたオプティマスの元へ行って膝枕を要求した。
なんとなく人恋しかったのかもしれない。
拒否されるかと思いきや、苦笑しつつも許可を貰ったのでセンチネルは遠慮無く膝枕を堪能したのだった。
頭を撫でる手がとても気持ち良くて、胸の中は幼子のような安心感が溢れていく。
絶対の信頼感が、いつしか愛情へ変化していくのにそう時間は掛からなかった。
そう、この時確かにセンチネルはオプティマスを愛おしく思っていた。
これだけでは全然足りない。もっと触りたいと…無防備なオプティマスとキスをしたい。
一度自覚した欲望は膨れ上がるばかりで留まる術を知らない。センチネルもオプティマスも。
むくりと上半身を起こしたセンチネルは、驚いてオプティックを見開くオプティマスの顎に指を添えて何か言おうとした厚い唇をそっと塞いだ。
電流が流れたように動かないオプティマスをセンチネルが抱き締める。戸惑う両手はしばらく宙を彷徨っていたが、やがて諦めたようにワガママな男の首へ回した。

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