僕には特別の大親友が二人いて、どうやら生まれる前からそういう運命にあったらしい。普段は当たり前過ぎて考えもしないのだけれど、実はとてもすごい事なのだ。当たり前が何より素晴らしいだなんて、二人に出逢わなかったら、きっと知らないままでいた。
僕等三人は、いつでも一緒だ。誰かが走り出せば、その後を追い駆けて並んで走った。誰かが躓いたら、立ち止まって手を差し伸べる。同じ事で泣いて笑って、たまに喧嘩してそれでもすぐに仲直りして、そういうちっちゃな子供みたいな事を今もずっと繰り返してる。繰り返して、繰り返して、何度も、何度でも。

「遅いわよ、チョウジ!」
「ごめんごめん」
「お前…また菓子詰めて来たろ。任務はピクニックじゃねえんだからよ」
「えへへ、二人の分もあるよ」
「そういう問題じゃねえ」
「もー先行っちゃうわよー?」
「あ、待って!今行く」
「…めんどくせー」

当たり前の日常、繰り返す事の意味、全てを共有出来る存在。知らない内に、僕はいつの間にか知っていたんだ。揺るぎないものとして、僕の中に根付いていたんだ。二人は知ってるのかなあ。こんな事を思ってるのは、僕だけなのかなあ。

そう遠くないいつか、少し話してみようか。やっぱり笑われるんだろうなあ。でもね、どれだけ笑われて呆れられるとしても、二人には聞いて欲しいと思うんだ。


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