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※恋人未満な高校生ふたりの話


 小学校からずっと一緒にバカやって騒いで、テキトーな理由で同じ高校選んで。思春期のノリで抜き合い何てしてたら、いつの間にか深いキスを交わして、カラダまで繋いで。
 そこで漸く、俺はお前の大切さに気付いた。

 でも、俺は男だから。
 何も言わないお前に『俺たちって付き合ってるの?』なんて簡単に聞けなくて。それ以上に遊びだとハッキリ言われる事が怖くて。
 逃げて逃げて逃げて、でも触れ合える距離は手放せなくて。
 ただの友達でいいから、この関係を壊すくらいなら黙ってこのままでいようって、そう、思ってたのに。

「なぁ、お前大学どこ狙うの?」
「一応K大狙うつもり、だけど…」
「何だよ、俺M大だから受かれば近いな。同棲しようぜ」
「へ?」
「お前なんも言わねぇからてっきり県内狙いかと思ってたわ。遠恋とか不安〜とかひとりで悩んでたのにさ、この薄情者が……って、おい?」

 まさかお前が同じ様に想ってくれてたなんて、信じられなくて。
 俺たちは“恋愛”してたんだって分かったら、嬉しくて、ホッとして、思わず涙が出た。
 そしたら何を勘違いしたのか「え、泣くほど同棲が嫌なの?俺、ちゃんとプライバシーとか守るタイプよ?」なんて不安そうな顔で俺を覗くから。

「嬉し泣きだよ、バァカ」

 泣き笑いしながら、

「落ちんなよ」
「お前もな」

 俺たちは、初めて恋人のキスをした。


END



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