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「エリック!聞いてよ!明日キャロルと一緒にご飯食べることに・・・うわ、何よその顔」
「え、俺の顔が何さ」
「絵本で読んだ小鬼・・・いや、それより凄い顔になってるわよ。怖いんだけど」
「はぁ?急に何なんだよ・・・人の顔見て怖いって」
「いやだって・・・えぇ、無自覚なの、これ」
「だから、何が」
「・・・別にあたしがキャロルとご飯食べたっていいでしょ!友達なんだから」
「それは別に、いいけど。キャロルさんも喜ぶだろうから。っていうかその様子だと誘ったのはキャロルさんだろ?」
「ええ、そうよ。あ、女の子同士で話すんだからエリックはダメだからね」
「うわぁ、ミカエラから似合わない言葉が出てきた」
「張り倒すぞ、貴様」
「冗談だって。キャロルさんが楽しみにしてるなら俺が邪魔する必要ないし」
「・・・あのさぁ、一応言っておくけど。そういう紳士的な事はその顔止めてからにした方がいいわよ」
「その顔って何だよ。さっきから、俺は普通にしてるだろ」
「普通!?アンタ、その顔で普通って言うの!?うわ、ないわ、っていうか酷い」
「酷いって何が。俺はいつも通りだろ」
「・・・・・・いつも通り、ねえ(無言で手鏡を向ける」
「・・・・・・」
「アンタ、これでもいつも通りって言える?」
「言えないね」
「あのさぁ、同性相手に嫉妬とか見苦しいにもほどがあるわよ?」
「嫉妬、って俺は」
「別にキャロルにアンタの悪口吹き込んでるわけじゃないし。普段のアンタの様子聞いたりしてるだけ。アンタがあたしを心配してくれてるように、あたしだってアンタの事心配なの。それだけは分かって欲しいんだけどなぁ?」
「分かってる、分かってるってば」
「今更お互い心配しあうとか遅いとは思ってるわよ。でもあたしだって契約して、色々と気持ちも変わったの。アンタだってそうでしょ」
「・・・・・・」
「アンタの場合は、ちょっと変わりすぎた、けどねぇ」
「・・・これ、同性に言われた方がマシだったなー」
「従姉から言われるとキツいでしょ?」
「もういいってば、部屋に戻る前に顔洗って元に戻すよ」
「それがいいわ。その顔で戻ったら絶対怖がられるもの」
「・・・・・・」
「だからその顔止めろ!」
エリックが無自覚に嫉妬しいだっていう話。従姉にすら嫉妬する始末。
この後ちょっとだけキャロルさんに余所余所しい態度取ってしまってミカエラに「どうしよう」って相談しに行く。
「知らん、頑張れ」ミカエラはちょっと冷たい。