Junk Toy Box | ナノ



「そもそもこの程度の話ならお前覚えてるだろ。取っておく必要がない。捨てるぞ」
「いやでもその内見返す時が来るかもしれないし・・・」
「俺、それ前に来た時も聞いたよ?その時からノート開いた形跡ないよね?意味わかるよね?(ゴミ袋にノートを入れながら」
「うううう」
「うーうー言ってないで捨てるものは捨てる!ミカエラは努力してるんだから要らないもの捨てるのも大事!」
「あーもー分かったわよ!捨てればいいんでしょ!?」
「必要なものは本棚にまとめて入れる、いいね?」
「初等部時代のノート・・・」
「それはもういいだろ!?何年前だよ!!」
「でも・・・」
「でもじゃない。中等部ならともかく初等部時代のノートって・・・本当にミカエラは整理整頓だけはダメだよなぁ。他の事は大体見様見真似で出来るのに」
「何かこう、勿体なくて」
「気持ちは分かるけど、きちんとしないと。折角素敵なパートナーだって出来たのに」
「分かってるってば!アレクさんは良く食べる素敵な女の子なのよ(*`ω´*)」
「え?あ・・・(いや、アレクさん、男性じゃ・・・まぁ面白いからだまっておこう)・・・そっか、よかったよ」
「エリックこそ、今更パートナーなんてどうしたの?今まで散々魔法を嫌ってたのに」
「んー・・・何だろう。気分?」
「気分ってアンタ・・・女の子泣かすようならアンタの血液がなくなると思いなさいよ」
「分かってるってぱ。俺、女の子を泣かせる趣味はないし」
「それならいいけど」
「可愛い女の子には紳士なの」
「あー、はいはい。・・・これでもよかったって思ってるのよ?エリックの父さんは、あたしの父さんが、」
「この話はやめよう。非生産的過ぎる。俺の父はもう居ない。生きていても死んでいるのと同じ」
「っ・・・!」
「それはミカエラが気にすることじゃない。あの人は元から狂ってた。それが悪化した、ただそれだけだ」
「それでも、父さんがもっとあの人を気にしてれば・・・ううん、ごめん、それこそ無理な話。あの人は人の気持ちなんて考えやしない」
「あの兄弟は可笑しいんだよ。人間的な何かがね。もうさ、俺もミカエラもそれに振り回されるのはバカらしいって思わない?」
「・・・・・・そうね、分かってる」
「今の俺たちにはパートナーが居るし、彼らを頼ることだって出来る。少なくとも、」
「・・・」
「俺たちはあの人たちのような間違いを踏むことは無い、って俺は思ってる。魔法使いと武器は一心同体。なら、俺たちは考えればいい。間違えたら謝って二度と同じ間違いをしなければいい」
「そう、ね」
「はい!掃除終わり。次来た時また同じ惨状だったら要らなさそうなもの全部捨てるから」
「や、やめてよ!!」
「常日頃から整理整頓してればいい話だろ・・・今度アレクさんに挨拶させてくれよな」
「分かってるわよぉ・・・こっちこそキャロルさんに会わせてよね」


comment:(0)


BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
- ナノ -