Memo | ナノ


「これが、願いを叶えて貰った人間の末路だよ」

彼女はそう言って笑う。
・・・初めて、彼女の違和感のない笑顔を見た。
それが本人の死の間際だなんて。

「なんで・・・」
「何でだろう?これが、運命だったからかな?」

白銀の光を放っていた宝石は今は・・・鈍い黒の光を放っている。

「希望と絶望は差し引きゼロで、幸せを願った分だけ誰かを呪ってしまう。それが私たちという生き物なの」

彼女は震える手で拳銃を握ると、宝石に銃口を合わせる。

「ま・・・待って・・・!」



「これが、正しい終止符の打ち方よ」



黒い光が銃弾に砕け散って・・・風に飛ばされていった。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -