正直に、好きって言えよ
『灰崎くん』
遥の呼ぶ声が微かに聴こえる。
「今、良いとこなんだよ「ほぉ、そうか」
と図太い声と頭に乗せられた教科書の重みで目が覚めた。
「げっ」
起こしたのに!と隣の席の遥が
頬を膨らました。
授業が終わり
『もう起こさないからね』
と遥が意地悪く言った。
「悪かったって」
と、頭をくしゃっと撫でた。
みるみるうちに遥の顔が紅くなる。
「紅くなってやんの。正直に、好きって言えよ」
と意地悪く笑いながら 教室をあとにする。
自分の顔も紅くなってることを自覚するのはまだ先のことー。
end