手、握ってて






『小太郎くん、大丈夫?』








遥ちゃんの声が聞こえたと思ったら
ひんやりと冷たい手が頬に添えられた。








『玲央から聞いて』








遥ちゃんのことを考えてたら
いつの間にかのぼせてしまった。








「かっこわるいなー」








『そんなことないよ、早く良くなって』








消灯までの時間
もう少しいるから、と微笑む遥ちゃんに








「…手、握ってて」







と控えめに手を伸ばした。








『うん』








自分よりも小さい手をそっと握る。
















いつの間にか眠っていた。








遥ちゃんの姿はなかったけれど
微かに温もりが残っていた。








end




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