かわいかったから





「遥ちん、帰ろ〜」








『うん!』








部活が休みの日は寮までの少しの距離を歩く。









久しぶりに一緒だからか
今日の遥ちんは よく喋った。








『もう 敦くん聞いてる?』







ちょっとむくれた遥ちんが可愛くて
そっと頭を撫でた。








『ちょっ、と 、どうしたの?』








慌てふためく遥ちんに思わず頬が緩む。








「かわいかったから」








と素直に言うと 遥ちんは俯いてしまった。








遥ちんの視線に合わせるように屈む。








「ほら、可愛い」









ちゅ、と額にキスをして
固まったままの遥ちんの手を引いた。











end






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