日向順平&木吉鉄平
「いらっしゃいませ…ってお前か」
木吉は閉店間際の日向の美容室へと向かった。
ぶつぶつ文句を言いながらも
シャンプー台に案内された。
「仕事はどうなんだよ」
「順調、順調。
同期の子が膝に負担かからない介助の仕方勧めてくれてな」
久しぶりの会話を楽しみながら
伊月が特集されている雑誌を手に取った。
「相変わらずセンスはねぇけどな」
売れっ子になった今でも
時々奥さんを連れて髪を切りに来る。
「日向もそろそろ籍入れるのか?」
帰り際、木吉が笑顔で尋ねる。
「まぁ…な」
珍しく恥ずかしそうにして
早く帰れ、と手を振った。
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