きみ攻略マニュアル





「おはようなのだよ」




後ろから声を掛けられ
振り返る。






『真ちゃんおはよう』





クラスメイトである彼は
今日もラッキーアイテムを手に満足そうだ。




だが、満足そうな顔は一瞬にして崩れた。


グッとスカートの裾が引っ張られる。





「遥、スカートが短すぎるのだよ」






『ちょ、真ちゃんそんな引っ張らないでよ』







皆これくらいでしょ?と手を払おうとしていると






「朝っぱらから何やってんの〜?」






高尾がやってきた。






「遥が!」『真ちゃんが!』






二人ともスカートの裾を手に
睨み合う。








『真ちゃんには関係ないでしょ』







ふいっと言うと
素直に手が離れた。







先行くからね!っと教室へ向かった。









「真ちゃん、気にしすぎじゃね?むしろ遥ちゃんのスカート長い方でしょ」






高尾の言葉に む、となり
昇降口をあとにする。







「遥、さっきはすまなかった」





先に教室に来ていた遥に声を掛ける。





『わ、私もごめん』






しゅんとした遥の頭に手を乗せ






「わ、分からないのだよ。何を言ったら喜ぶのか…」





自分でも何を言っているのやら
遥もへ?と驚いている。







そこへ高尾が助け舟を出した。








「まぁ、つまりさ
遥ちゃんの【攻略マニュアル】が欲しいんだってさ」






「そ、そういうことなのだよ。今日中に作るのだよ」






『ってことは、つまり…真ちゃんに攻略されるわけね』







なんだか面白そう!っと言う遥だった。




「真ちゃんごめん、変な方向に…」





真太郎がどういう意味合いで言っているのか
理解しているのは高尾だけだった。







end






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -