間接キスのつづき
『笠松くん、お疲れ様!』
唯一ちゃんと話せる女子
栗宮遥。
時間があれば練習試合など観に来てくれる。
涼もうと外で手渡されたドリンクを飲む。
と、視線を感じ栗宮の方を見ると
目が合う。
「あぁ、飲みたいなら飲むか?」
『えっ…いや、大丈夫だよ』
「遠慮すんな」
どうして栗宮が顔を真っ赤にしてたかなんて、渡す時は気付かなかったけど
渋々、口をつけた栗宮を眺めていた時に気付いた。
-間接キス-
「すまない。嫌、だったよな」
慌てて謝ると 栗宮は首を横に振って
ユニフォームの裾を掴み
『笠松くん…つづき、して』
「つ、つづき…」
恥ずかしさのあまり 顔を見られまいと
しゃがみ込んだ。
と、ふわり甘い香りがして
唇に柔らかい感触が。
「っ…」
『後半も頑張ってね』
と、立ち去ろうとした栗宮を引き寄せた。
「こ、こういうの苦手なんだ…けど」
つづき、するか。
end