呼吸も忘れる恋をした
「小太郎、早くしないと置いてくわよ」
「どこやったんだっけかなー?」
レオ姉に急かされながら
タオルとドリンクのボトルを探す。
『は、葉山くん、もしかしてこれ探してた?』
か細い声で言われ 振り向くと
遥ちゃんが差し出してくれた。
「あ、ありがと!どこにあった?」
と、受け取ろうとして 二人の距離が近づく。
思ったよりも近くに顔があって
遥ちゃんが恥ずかしそうにしたのが分かった。
「ご、ごめん!」
パッと受け取り離れる。
『いいの…試合、頑張ってね』
と笑顔を向けた遥ちゃんが可愛くて
呼吸するのも忘れ、恋をしたー。
「小太郎?顔紅いわよ」
とレオ姉の声でハッとなる。
「遥ちゃん…あ、ありがと!頑張る!」
と笑顔を返した。
end