目を逸らして曖昧にして









「あら、遥」






教室に忘れ物を取りに行くと
小さくて可愛らしい友人がいた。






『玲央…お疲れ様』







いつもとは違う雰囲気の彼女…。







「何かあったの?」






と歩み寄り尋ねる。







『ううん、大丈夫よ』







目を逸らして曖昧にしてー







そっと彼女の頬に手を添える。







「泣いてるじゃないの。遥のそんな顔なんてみたくないわ」






と額にキスした。






『玲…央?』








「いい加減気付いてくれないかしら」







と笑顔を残して教室を後にする。







笑ってる遥が好きなのよ。




end








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