残念ながらべた惚れです
着替えを済まし体育館を出ると
愛しい人の姿を見つけた。
「遥さん、待っててくれたんですね」
声を掛けられ振り向いた遥さんは
ぱぁっと笑顔になった。
『お疲れ様…です』
嬉しい反面、恥ずかしさが抜けずに
遥さんは下を向いてしまった。
「遥さん」
ゆっくり歩み寄り
頬に手を添えてこちらに向ける。
『く、黒子くん…』
遥さんの呼び掛けにふい、と顔を逸らす。
「名前で呼んでください」
慌てふためく遥さんが可愛くて
髪を掬いキスを落とした。
先輩達が来ないことを確認して
ぎゅっと抱き寄せた。
「残念ながらべた惚れです。嫌って言っても離しませんから」
そう言うと
『っ…テ、テ、テツヤくん』
恥ずかしそうにしながらも
そう呼んでくれた遥さんに
また惚れてしまう。
どんなキミも好きになる。
何度でも惚れてしまう。
end