好きな奴って、誰?








「栗宮、隣のクラスの奴が呼んでるぞ」






またか、と思いつつ
私は渋々行く。








「栗宮さん、俺と付き合ってください」















何回目であろう告白を断わり
教室に戻る。








「栗宮、また断ったのか?」






赤黒い髪にキリリとした特徴的な眉毛。








『わ、悪い?…しょうがないでしょ、好きじゃないんだから』







ふーん、と言い
何を思ったのか






「好きな奴がいんのか?栗宮の好きな奴って、誰?」







『っ…』






お前だっつーの!






と心の中で叫んでいると







「遥さん、女心の分からない火神くんですから…言葉にして伝えてあげてもらえませんか」







見兼ねた黒子くんに言われ
私も何かが吹っ切れた。








『火神、あんたよ』






「ん?」







『だから…私が好きなのは火神!』






気付けよバカ神!と言い残し
教室を抜ける。







「待てよ!」







廊下を二人、走る。







あっという間に追い付かれ
抱き寄せられた。








「わ、わりぃ。ありがとな」








『振ったら…許さないから』








ほぼ、強制で言うと








「お、おぅ」







満更でもなさそうな表情の
彼がいた。








鈍感な彼に
時には厳しく。








end









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