てるてるぼうずの恋








《今日の蟹座のラッキーアイテムは…》








『緑間くん、おはよ』






いつもの様に彼女はクラスメイトに挨拶する。





それは習慣になっており
皆も当たり前のように返す。






「お、おはようなのだよ」






『今日のラッキーアイテムは何だったの?』






これも習慣で
微笑みながら尋ねてくるのだ。






「てるてるぼうず、なのだよ」






作り方がいけないのか
上手く出来ずに不格好なものを机の横にぶら下げていた。






『それなら私にも作れるね!』






とティッシュを丸め始めた。














放課後になり
雨が降り出した。








「真ちゃん先行ってるよ〜」





高尾に言われ部活に行く準備をしていると
窓際に立つ 彼女が目に入る。







「帰らないのか?」





誰もいなくなった教室で
側まで歩み寄り 尋ねる。






『…うん。もうちょっとだけ。

緑間くんは今日どうだった?』





声を掛けるまで何処か遠くを見て
切なそうにしていたが
すぐに いつもの微笑みになった。














「…好きな者の悲しそうな顔を見たから、辛いのだよ」








と言い、抱き締めた。







『緑間くん…私、期待しても良いのかな』











てるてるぼうずの恋ー










「い、良いのだよ」








二人が作った てるてるぼうず が仲良く並び
部活が終わる頃には晴れた空が広がった。













end



















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