こんな雨の日には
「遥っち、今日撮影なくなったス」
《本当?…少しだけでも会いたいな》
電話越しでも彼女はやっぱり可愛くて
「うん、もう家の前にいるっス」
と言うと、カーテンが開き
彼女が手を振った。
『早く言ってくれれば良かったのに。濡れてない?』
タオルを持って招き入れられた。
「驚かせようと思ったんスよ」
昨日から両親は旅行に行ってる、と聞いたので二人きりだ。
彼女の部屋に入ってすぐ
抱き寄せた。
「大好きっス、遥っち」
『私もだよ、涼太くん』
こんな雨の日にはー
君に会いに行こう。
end