あなたからキスして
「遥、ペンが止まってるのだよ」
テスト前の追い込みに
彼女の勉強をみてやっている、が
進んでいない。
『ねぇ真ちゃん、キスして』
遥の顔が近づき
ピンク色の唇で呟いた。
「な、何を言って」
普段から彼女に押されてばかりで
自分からキスしたことはなかったのか、と
改めて実感した。
「こ、この問題が解けたら…良いのだよ」
『はい。答え合わせして』
少し難しい問題を選んだが
自分が見なくても良い程簡単に解いてしまった。
丸をつけてやると
遥は目を瞑った。
綺麗だ、と改めて思いながら
唇を重ねる。
もっと欲しくて
吸い付くように唇を重ねた。
あなたからキスしてー
『問題解くたびにキスしてくれたら、私頑張れる!』
だからお願いね!っと
笑う彼女が愛おしかった。
end