すがるようにキスして
『っ…大我く』
誰もいない
体育館の用具室。
嫌がる遥をマットに押し付ける。
「遥は俺のだろ。誰にでも優しくすんなよ」
手首を掴み
無理やり唇を重ねる。
『…ん、ごめんなさ…ぃ』
涙目の遥に理性が効かなくなる。
自分でも可笑しくなっちまった、と思いながら
「遥からキスしろよ」
ぎゅっと抱き寄せ耳元で囁く。
遥はビクッと肩を跳ね上がらせた。
向き合うようにして
目を瞑る。
『大我くん、好き』
か細い声で言うと
柔らかい唇を重ねてきた。
初めてと言って良い程
舌を使って深いキスをしてきた。
まるで離れないで、と
すがるようにー。
「わりぃ、恐かったよな」
今度は優しく遥を抱きしめた。
こんな風にさせんのは
お前だけだ、遥。
end