ずるいから好きです
「遥、さっき話してたのは誰だ?」
いわゆる壁ドン状態で
赤司君に問い詰められている。
『え、えっと…クラスメイトです』
そっと顎に手を添えられる。
「随分と楽しそうに話してたみたいだね」
いつもの様に唇にキスではなく
今日はご機嫌ななめの為お預けみたいだ。
『赤司君は…ずるい、です』
一瞬驚いたように目を見開いたけれど
平静になった。
『…ずるいから好きなんでっ』
言い終わる前に
噛み付くようなキスで遮られた。
「遥、自覚していないのが一番ずるいと思う。そこも君の良いところだけれど」
まだ息を整えている私を
ぎゅっと強く抱きしめた。
ほら、そういうところ。
私だけにしか見せない表情とか。
大好き。
end