いたずらっぽく笑う声



「ねぇ、もし僕があんたのこと好きだって言ったらどう思う?」
「へ?」

ダリルとラウンジで昼食をとっていた時のこと。
いつもの人を小馬鹿にしたような、しかし少し真剣な表情をしたダリルは突如私にそう言った。

っていうか、ええええ!す、好き!?ダリルが私を?!
あまりにも突然の言葉に私は思わず手に持っていたフォークをトレーに落としてしまったよ!
い、いや…もしって言ってたし仮定の話、か。でもこういう話ってそういう気持ちが無ければ話さないよね。ってことはやっぱりダリルは私の事を…?

「ねぇ、聞いてんの?」
「あ、うん!聞いてる聞いてる!!」

ぼー…っと考え込んでいた私にダリルが機嫌悪そうに話しかけ、ようやく意識を戻すことができた。

「えっとね…う、嬉しい!です!!」
「信じるの?」
「うん!」

顔に熱が集まるのを感じながらじっとダリルを見つめると、彼は「ふ〜ん」とか言いながら視線を反らした。

「ま、嘘だけどね」
「ですよねー!!…ぐすん」

ハンッと鼻を鳴らすように人を馬鹿にして笑ったダリルはそれはそれは素敵に意地の悪そうな笑みを浮かべていた。
そして、やっぱり彼への想いは私の一方的な片想いだったようだ。やっぱりね。
なんとなく予想はしていたけどしょげる。

「お前ってほんと騙されやすいね」
「そう言うダリルはよく騙すよね」
「騙される方が悪いよ、チビ」
「チビって言うなあああああ!!」

きー!と叫ぶように反論するが、彼はいつものように楽しそうにケラケラと笑った。
そんな彼のいたずらっぽく笑う声は騒がしいラウンジに吸い込まれるように掻き消えた。


title by 確かに恋だった。


◎何を書きたかったのかは私にも分からない。←



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