ベクター12
貴方なんて大嫌い
二度と近づかないで


何度そう言われただろうか。友情ごっこが遊馬にバレる前からも、なまえはオレを嫌っていた。表立って嫌悪を表しはしないが、二人きりに話しかければ罵言暴言…この頃はなんて口の悪い女だとばかり思っていたが。


「…なまえ」
「はい?なんでしょう、ベクター様」
「様はいらねぇ」
「はい、ベクター」
「こっち来い」


はい、ベクター。と機械のように返事をするなまえは以前のようにオレを嫌ったりはしない。所詮ただの人間、洗脳すれば簡単にオレに従った。命令を下せば、以前は決して近づこうとしなかったオレにこうして近づいてくるし、触れもするし、強請ればキスさえもする。
欲しいと思ったから手に入れた。そのはずなのに、なんだ、この空虚感は。


「……」
「ベク、ター…?どうかされたのですか…」
「…なんでも、ねえ」
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