ドルベ02
「もうっ、なんなんですかドルべさん!」


ここは人間界で私が借りているアパートの一室、ベッドでゴロゴロと暇をもて余していたところ突然ドルべさんがやって来たのだ。内心ミザエルさんじゃなくてよかったと思ったのは内緒だ、ミザエルさんにこんなところ見られたら絶対に怒られてた。かといってドルべさんに見られるというのも…じゃなくて、それよりも今の状況をどうにか打破しなくてはならない。ベッドに仰向けで横になっている私の腰のあたりにドルべさんが股がって私を見つめている、どうしてこうなったのか。突然現れたと思ったら、起き上がろうとした私を押し倒して黙ったまま。……わあ、よく見たらドルべさんって結構かっこいいな。アリトたちよりも年上っぽいし。って、そんなこと悠長に考えてるんじゃない私。


「ドルべさーん…」
「……………」


何か喋ってくださいよ…!と心のなかで叫ぶ。ドルべさんは他と違ってあまり感情を表に出さないから、何を考えているのかを理解するのは難しい。ミザエルさんを見てみなよ、あの人すぐ怒るし。ああもう、今だってほら、無表情で私を見つめてる。むしろそんなに見つめられると、は、恥ずかしいっ!特にヒューマノイドモードのドルべさんは目に光が宿ってるから余計に恥ずかしい!


「ドルべさん、重たいんでいい加減…」
「…なまえ、君は」
「?」
「君は…ミザエルをどう思う」


やっと喋ってくれたと思えば、なんでミザエルさん…?疑問符を頭に浮かべているうちに、ドルべさんの少し熱を孕んだ手のひらが私の頬を包む。そのせいで顔を背けることもできず、視界はドルべさんに固定された。心なしか、先ほどよりも顔の距離が近くなった気がして思わず彼の腕を掴む。


「あ、あの。ドルべさん?」
「なまえ、君はいつもミザエルと共にいるな。自分から話しかけることも多い、だが、だが私には何かない限り決して接点を作ってくれない。何故だ?私のことが嫌いなのか?あのベクターにすら君は自ら近づくというのに」
「す、ストップですドルべさん」
「避けられているわけではない、それはわかっている。しかし君にとって私は」

ダメだこれ、止まりそうにない。叱られた子供の言い訳のようにつらつらと言葉を並べ、全く止まる気も話を聞く気もないらしい。ごめんなさい、ドルべさん。あまりやりたくないんですが…人間にとっての急所を狙わせていただきます。


「えいっ」
「あぐっ……」


空いている方の手で、男性の急所を思い切り殴らせていただきました。ミザエルさんにもやったことないのに。ドルべさんは驚いたのか痛みに耐えられなかったのか私の上から下りて床に蹲る。私もベッドから下りてドルべさんの顔を覗いた。


「…ぐ、なまえっ君は」
「ドルべさんがあまりに人の話を聞いてくれないもので…」
「…それは、君が」
「私が?」
「君が、私以外のバリアンとは仲が良いのに、私には…私は…ああ…」





挫折したので小ネタ入り
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