ベクター02
「ヒヒハッ!オイオイ、逃げるなよォ!」
「やだやだやだぁ!こっち来ないで!」
「それは無理な相談ってモンだろ!」
「や、やだよぉ…はっ……はーっ!っ!」
「なんだ、もうバテちまったのかァ?追いかけっこは始まったばかりだろうが!」
「ひいっ」
「ヒャハハッ!」
(なんなの、なんなのぉ!フード被っててすごく怪しいし、ちょっと中身見えたけど、絶対人間じゃない!)
「そんな怯えた顔すんなよ、そそるだろうが。ンヒヒッ」
(怖い、こわいっ!誰か助けてよぉ…)


「あっ!?なまえさん?」
「!!し、真月く……!」
「そんなに急いでどうし………わぁ!」
「た、たすけてぇ……!」
「一体どうしたんですか?急に抱きついてくるなんて」
「ふ、ふぇ………変なのに、追いかけ、られ…ひっ」
「…でも、何もいませんよ?」
「いたの!フード被った、絶対人間じゃない奴が追いかけてきたの!信じて…!」
「なまえさんが嘘を言うとは思ってません、信じますよ」
「うぅ……うっ……」
「泣かないでください、大丈夫です。僕が守りますから」
「ほ、ほんと……?」
「はいっ!朝もお家までお迎えに行きますし、帰りももちろんお送りします!」
「う、うん……ありがとう」
「なまえさんのためですから!」


「………へっ」
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