s
誰が支配されてるって?
ちょっと流血注意
ユーリが舐めるだけ


なまえは僕のペットだ。恐怖で震えているその肢体を彼女のために用意した白いベットに組み敷いて、その様子を観察する。
コバルトバイオレットのワンピースは僕のことを考えさせるため。少し弄れば外れそうな足首に付けた金属の足枷は彼女を逃さないためではなく、僕の支配下にあることを忘れさせないため。この部屋に用意した全てのものは僕のためであり、君が僕のものであるということを認識させるため。

でも、無理矢理そんなことをしちゃったからか、なまえは僕に恐怖の感情しか抱かない。そこに愛も憎しみもなく、ただ己を守る術として、自己防衛のため僕に怯えて従順なフリをしている。

今だってそう、そのキャンディみたいにキラキラと輝いていた瞳は以前より多少濁りはしても、いつどうやって僕から逃げ出せばいいのか思索している。無駄だけど。
そうだ、怯えながらも立ち向かおうとする可愛らしいペットに、ご褒美をあげよう。
ぺろりとなまえの唇を舐めて、そのまま、ベッドと同じように白い彼女の首筋にかぶりついた。跡をつける、なんて生易しいことはしてあげない、歯をたてて、柔肌を食らう。
すると押し殺していたであろう声を、どんどん溢れさせて、ああ、可愛らしい。肌に触れている僕の舌をなまえの赤い液体が侵食していく。甘ったるい、鉄の味、なまえの血、僕が、傷つけて出てきた血。

赤が白を塗り潰し始めてようやく、僕は歯を離した。べろりと赤い血を舐めてやれば、小さな悲鳴が僕の鼓膜を刺激する。抵抗もせず、僕に愛玩されるがままのなまえ。
とっても愛おしいね。


「ふ、ふふ」


思わず笑みが零れた。
痛みで溢れ出たなまえの涙を、頬ごとぺろり。頬から首筋に、また上がって唇を、僕の唾液が彼女の身体を濡らしていく。
これは僕のもの、僕だけのペット、僕だけが支配できる。


「あ、う……んっ、ゆー…り……」
「なぁに、なまえ。お腹でもすいた?」
「……も…と」
「ん?」
「もっと、ちょうだい……?」


赤らめた顔で、もっと欲しいと言われてはあげないわけにはいかない。そうやって、君は僕だけを求めていればいいんだ。そしたらもっと優しく飼ってあげる。
僕はニコリと笑ってなまえに口付けた。





20150320
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -