第三回お題

袖ぬるる恋路とかつは知りながらおりたつ田子のみづからぞ憂き
物思いの涙で袖の濡れる恋の道と一方では知りながら、もう一方ではその恋の道に足を踏み入れる自分が我ながらつらい。

心には下行く水の湧き返り言はで思ふぞ言ふにまされる
表面は見えず物陰を流れる水が実は湧き返っているように、心に湧き返る恋心を口に出さずに恋しているのは、口に出して言うよりもずっと恋心がまさっているのです。

いつはりのなき世なりせばいかばかり人の言の葉うれしからまし
もしも嘘のない世の中だったなら、どんなにかあなたの言葉が嬉しいだろうに。



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