サスケとサクラ 別れ話 BL表現含みます



一夜を共にした男と二人、処の上で小難しい事を延々と考え続けている女の定義は何だろう。
満たされる事のない身体と虚しい空虚感。あぁ、何て詰まらない女だ。

「ねぇ、この関係の定義って何だと思う?」

恐ろしいくらいに無表情で、煙草の煙を肺に出し入れするだけの単調作業を繰り返す彼に問いかけてみた。
だが求めた答えは返って来る筈もなく、必要最低限の物しか置いていない生活感の無い部屋には私の呼吸する音と彼が煙草を吸う呼吸の音だけ。
引き止める気もないのだと理解すると、堪えていた熱い物が喉を目指して込み上げる。
本当に何て哀れで詰まらない女。

「無意味なセックス、生産性のない関係」

奥へと深く身体で繋がれば繋がる程に思い知らされたのは、彼が求めているのは、私が本当に求めているのは、お互いではないて言う事のみだった。更に残酷な事にお互い求める相手は同一人物。彼は昔の友を求め、私は今の仲間を求めている。
何て、何て滑稽な事だろう。

「分かれ、よ。この関係の定義は、分かれ。ねぇ、サスケ君」

結局、最後まで彼と会話を交わす事は無かった。始めから彼は私を一人の女としても見てはくれなかったのだ。けれど同時に、私も最後まで彼を一人の男として見れる事は出来なかった。もう彼を男としてもう一度愛する事は出来なかった。それだけの事だった。キスの一つも交わせなかった関係。
けれど、此れで良かったと思う。感情移入する事は自分の首を締める行為と何ら代わりは無いのだから。

「さようなら、サスケ君」

次に会う時は好宿敵。彼の白く細い背中を見届けて部屋を出た。
恐らくは見間違いであろう。いや、そうで在って欲しい。彼が、サスケ君が泣いていた様に見えた。








∵ 虚しくなる関係、もう戻らない恋愛感情。何処で違ったんだろう、ね。
な、サスサク。時系列的にはサスケ帰還後。ふたりとも彼が好き。
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