乾いた水槽(愛も何も無い)
貴方から避けられてる
私を捨てるなら、
貴方を傷つけたことなんて無かったのに、
貴方が違う少女を望むなら

惜しみなく愛してあげる
憎悪を望まぬとも、
収斂する畔から落ちた硝子
泪の残滓
どうか、どうか嘲笑して下さいませ

泣き続けた私の涙に潰されて(貴方が消えてしまえば)
痛みも感じないほどに(優しく抉ってあげる)
誰かを正しく愛せるように(鮫が人を愛せる訳ないのに)
ふりだしさえも(真っ白に消え去っていた)
牙を剥いた

鮫のように、いつの間にか貴方を傷つけてしまっていた



天野月子――鮫


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