ここは一つ、承太郎の反応を楽しむこととしよう。

「そんなに嫌か……そうか…ならばよかろう」

「…ぁ、りお?…ふ、あっ………ぁう…なんでっ…」

ああ、可哀想に。何故私に指を抜かれたのかすら未だによく理解できていないであろう承太郎。今度は一体何をしでかしてくれるのだろうか。今日の彼は少々バグを起こしている為、行動が全くもって予測不可能である。どんな方法を使って私を誘惑してくれるのか、とても楽しみでならない。
しかし。彼は誘惑のプロフェッショナルであるが故、時に私を半狂乱状態に陥らせてしまう場合があるのだ。
今の承太郎は軽く理性を失っているため、本人は何の悪気もないつもりでも【自主規制】を【自主規制】したり、「【自主規制】!」等の爆弾発言を連発して私の理性を辛うじて繋ぎ止めている超極細の糸をブチ切り、結果的に私を三途の川近辺へとトリップさせてしまうという可能性もあながち0ではない。彼が本気をだして高度な誘惑スキルを駆使してくるようなことがあれば、私は鼻から大量の血液を噴出して「我が生涯に一編の悔い無し」、「このDIO、天へ帰るに人の手は借りぬ」等のどことなくそれっぽい台詞を遺して昇天するであろう。かなりリスクの高い放置プレイであり、死と隣合わせと言っても過言ではないため本当ならば放置プレイなど諦めてとっとと彼にファックしてファックしまくってやるのが最良の選択である筈なのだが、残念なことに私はもう我慢ができない。承太郎が可愛らしく私を求める姿をこの目に焼き付けたいという欲望が既に脳内を9割程支配しているのだ。
早速私は台所に移動してローションやら何やらで汚れた手を綺麗に洗い、帰り際に冷凍庫からアイスを三個程引っ付かんで承太郎の向かいのソファにどっかりと腰を下ろした。放置プレイ開始である。
ちらりと彼を伺ってみれば、何故か正座をしてふるふるとうつむいている承太郎。噴き出しそうになったが我慢してアイスを口に詰め込んだ。

「………DIO」

「んっん〜、やはりハーゲ●ダッツはバニラに限るな」

舌打ちが聞こえたが、その小さな音に私を恐怖させる要素は微塵も含まれていなかった。ふん、またそうやって強がりおって。貴様が下唇を噛み締めながら泣きそうになっているのはお見通しだぞ承太郎。

「DIO……ごめんなs」

「あ。爪切りをエレベーターの隙間に落としてきてしまったなぁ、取りに行こうかなぁ?」

絶妙な嘘をついてソファから立ち上がる。私が部屋から出ていく素振りを見せたら彼はどんな反応を見せてくれるだろうか、とわくわくした気分で彼の横を通り過ぎようとしたその瞬間だった。
右足にタイヤでもくくりつけられたかのような重たい感触を感じ、振り向けばなんと。承太郎が私の足に腕を絡め、私を離すまいとしがみついていた。全裸で。

「DIO、行かないで…なんでも…する、から」

なんでも、する、だと?
瞬間脳内にガリレオのごときスピードで方程式が出来上がる。
_____涙目+紅潮した頬+上擦った声+全裸(勃起)+「なんでもするから」=私の煩悩がBIGBANG_____
負けるなDIO、承太郎を無視、承太郎を無視、承太郎を無視するのだ。
………
あんなことやそんなことが沢山頭に浮かんで心が揺れに揺れたがなんとか耐えて無事承太郎を無視することに成功。Uターンしてもう一度ソファに座れば、彼は膝立ちになってわたしのこ、こ、こかんに…貴様、

「なんでここでかくなってんだよ」

「きさmぅwrjなnぇst」

こんなことあってたまるか。私は無理矢理承太郎を蹴飛ばし、きょとんとしている彼の口に純白のホーム●ンバーを突っ込んだ。

「んぅっ!……むっ、はぁ…んん」

「貴様ァ…私のものを勝手にしゃぶろうなんて1000年早いぞ…お前には棒アイスで充分だ」

彼の口から既に若干溶けているホームラ●バーを出し入れしてやれば、んんっと声を詰まらせながらも素直にアイスをしゃぶり始める承太郎。その瞬間、私を興奮の深淵に引きずり下ろすことにかけて彼は完全にプロの領域に到達しているのだと速やかに理解した。
神エロゲには必ずと言っていいほど使用される「棒アイスをくわえる」というシチュエーション。世の男共は、画面の中で女がくわえている棒アイスを己の下半身にぶらさげた粗末な棒に変換し、「○○たんペロペロ○○たんかわいいよhshs」等とほざきながら自慰行為に耽るのだろう。斯くいう私もかつてはその内の一人であった。しかし今、妄想は現実となったのだ。目の前で承太郎が、あの承太郎が、棒アイスを。なんとも厭らしい顔で音をたてながらくわえているのだ。こんなの反則だろう、せこいぞ承太郎よ。ああ、先週の日曜日にスーパーで箱アイスの半額セールが実施されていた事を心から有り難く思う。調子に乗ってホ●ムランバー10本入りを3箱買っておいて良かった。

「んっ、ふむっ、んん!…ん、むぁ…」

もう我慢できん。承太郎の口からアイスをひっこ抜いてそれを一口で食らい、驚いた表情で一時停止している承太郎をやや乱暴に床に押し付けた。

「覚悟はできてるんだろうな」

「言っただろ、なんでもするって」

「~~~ッ…お願いだ承太郎…もう私を殺さないでくれ、残基が少ないのだ」

「知らねえよ…んっ…ふぅ」

この様子だと私は一生承太郎に勝てんだろう。なけなしの反抗心をかき集めて、彼に甘い口付けをぶつけた。
付けっぱなしだったテレビからはこれまたどうでもいいニュースが流れているが、あいにく承太郎が私に尻を向けて挑発的な笑みを浮かべているため、
その内容は全く頭に入ってこない。彼に向き直って此方も負けじと薄く微笑めば、いとも容易く頬を染める承太郎。もうどうにでもなってしまえ。己の理性を完全に無視して彼の中に思いっきり突っ込んだ。
彼の高い喘ぎはまるで試合開始のゴングのようで。今日はどこまで彼を満足させることができるだろうか、どこまで彼を乱すことができるだろうか。気絶させることができればまあ上出来だろう。絡み付く中は気が狂いそうになる程気持ちがいい。腰をぐちゅんと動かせば、彼はまたもや高い鳴き声を上げた。
さあ、最終ラウンド開始だ。


2016.02.22
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