「うっ、ふっやあんっ!…はあっ、あん、でぃおっ!、やっ…ああん、やらぁっ」


気付けば身体は勝手に動いていた。
承太郎が欲しい。承太郎は私だけのものだ。承太郎が、欲しい。私の本能はそう、囁き続ける。
中をぐちゃぐちゃにかき混ぜられた承太郎の淫らな喘ぎを餌としながら、私欲の赴くままにただひたすら彼を求める今日の私はどうにも冷静じゃない。


「はぁんっ、りっ、りおぉ…もぉらめ、ひっ、くあっ!あぁんっ!」


「っはぁ、駄目じゃないだろうっ、承太郎…っ、あぁ」


貪るように承太郎の唇を食む。
手のひらが軽く触れあえば自然と指と指が絡まった。いやらしい音を発てながら承太郎の暖かい口内に二人分の唾液が溢れ、彼の口元をぬらぬらと照らす。
潤んだ瞳で熱っぽい視線を送られ、それに煽られた私は更に行為を加速させた。


「ふっ、んんっ!…んっ、んんぅっ!!…ふぅん、んんっ!」


こうやって口を塞いでしまえば承太郎の全てを独り占めできるのだ、と一生勘違いしたままでいたい。今の私は独占欲の塊、ただの獣だ。狂おしい程の愛ゆえに獣になってしまったのだ。

力なく私を引き剥がそうとしてくる承太郎の手が、私の頭髪を掴む。彼の眉間に寄せられたしわは呼吸のままならない苦しみを分かりやすく代弁していた。
酸欠になられては困るのでようやく唇を離してやるとげほげほと咳き込みながらえずく承太郎。
端から見れば可哀想にしか見えない。いつもの私だったら背中を擦ってやり、落ち着くまで行為は一時停止するところだが、今日の私は非道い奴なのだ。彼の辛辣そうな表情、息遣い、痛々しい喘ぎ。それら全てに最高の興奮を覚える。全てが愛しい、承太郎のぜんぶが。


「ぐっ、あがっ…あ"ぁっ!!うっ、えぐっ…んっはあ、ああんっ!!やらやらっ、いっちゃうぅ…!」


「ああ、いくらでもっ…いっていいぞ…私もっ、イくっ…はぁ、あっ……」


「やっ、ひあ、ああ、ぅあああっ!!……………あっ…そんっなっ、でぃおっだめ、だめっ!」


二人して欲を吐き出したが、まだだ。
何も満たされない。足りない、もっと、もっとだ。

己の精液で承太郎の腹の中を満たしながら、休むことなく奥を抉った。前立腺だけをごりゅっ、ごりゅっと刺激してやれば悲鳴にも似た声で鳴いて大きく脚を開く承太郎は、最早私の奴隷かしもべである。
そのままぐっと股を割ってやれば恥ずかしがる様子すら見せずに女のような可愛い声を上げた。


「ああんっ、りおっ、りおぉ!…だいすき…っ、もっと、あんっ、もっといっぱい…はぁ、はあんっ!!……っ」


「はっ…じょうたろっ……うっ、あ……承太郎…ああっ!」


私が求めていたものはこれだ。

私には承太郎以外のものが何も見えない。承太郎は私しか愛することができない。互いの目に映るのは愛しき恋人の淫らな姿のみ。
私達は二人して盲目なのだ。いらぬ感情を全て消し去り、わずかに余る一掴みの純粋な真実のみで今この瞬間は構成されている。ノイズが介入する余地など全くない。
なんて心地のいい感覚だろう。


「ひぅっ、ぅあ!…もっ、なにっ…これっ、あぁん!…はぅ、いっちゃう、たくさん…いっちゃうっ!」


承太郎は私を前にすると早漏になってしまう。というか私がそういう体質にさせた。
思い返せばいつもそう、私と繋がると彼はりお、りおぉ、と舌足らずになってしまった声で甘く私を求め、大した刺激を与えていないにも関わらずひとりでに絶頂を迎えるのだ。
私のテクニックなど関係無い、そういう問題ではないのだ。これは愛だ。私は承太郎に愛されている。
彼は、『このDIOが承太郎を求めている』という事実にどうしようもなく興奮し、悦んでいるのだ。それに付随する快楽なぞ、彼にとっても私にとっても只のおまけにしか過ぎない。

自惚れだと笑ってくれたっていい。きっと承太郎も私と全く同じようなことを考えているだろうから。


「りおっ!!あぅんっ!…やらっ、もっ、いくっ…おかしくなっちゃう!ひあんっ、いっ…ああああんっ!!……………」


「…ッ……淫乱め……」


胸にまで飛んだ白濁がその快感の大きさを物語っていた。たらたらと涎を垂らして太股をびくっ、びくと痙攣させる承太郎の姿はどうにかなってしまいそうなほど仇っぽい。
射精中だろうが構わず腰を最大限に推し進め、ごりっと前立腺を押し潰してやれば、声にならぬ声をあげて足を背中に回し、ぎゅうっと体で抱きついてくる承太郎。
なんて可愛いのだろうか。こういうことをされるともっと意地悪したくなってしまう。

一度中から抜いてやると震える瞼から一筋の滴が伝い、弱々しい息を吐き出しながら彼はだらしなく股を開いた。

ああ、興奮する。今の承太郎はあまりにも弱々しく儚い。こんなにも無抵抗な彼を男として放っておけるわけがないだろう。
容量を越えて限界に達した承太郎にもっと乱暴な愛をぶつけてやりたい。とろんとろんに溶けてひくつくその穴を私の欲望と情愛で満たしたい。そんな思いが私を突き動かす。はやく、はやく、はやく。


承太郎を無理矢理持ち上げ、私の体に跨がらせた。不安げに上がった戸惑いの声は全て無視してずちゅんと下から突き上げると、身体を震わせかくんっと前に倒れこんでしまった承太郎。


「あ……は、はぁ、あん、ん、ひやあ……りお…も、むりだって…っああ!!」


「こんなにきゅうきゅうとここを絞めて…今更何を言う」


「やぁ、もっ……ほんとにっ、むりぃ…だからっ、あん…」


私の腹に手をつき、苦悶の表情を浮かべる承太郎。涙を溜めた目がすがるように此方を見つめている。
欲にまみれたその瞳が余計に私を煽らせていることにいつになったら気付くのだろうか。
もっと崩れるところを見たい。崩れれば崩れるほどに可愛くなってゆく彼の姿言葉をこの目に焼きつけたいのだ。


「自分で動け」


「はぁ?…でぃおっ、てめえふざけて」


「動け。イったらお仕置きだぞ」


承太郎は青ざめた。そして先程からじわじわと溜まり続けていた涙が際限なく溢れ出したかと思ったら、しゃくりあげ涙しながらこんなことを語った。


「うっ……なでっ…そんなにっ、んくっ…いじわるなんだよぉ……ふっ、うん…ひくっ、もうやら、おれっ、これ以上されたらっ」


「5、4、3、2」


「うっ、あああっん!…もっ、でぃおっの…ばか、ひぅ…あんっ!おれがっ、はぁ…どうなっても…しらっ、ねえ……ぞ、はぁんっ!」


「ああ。私も知らん」


なんて面白いやつなのだろうかこいつは。
私がカウントを始めると身体的危機を感じとったのか俺がどうなってもしらねえぞと、訳のわからぬ可愛いことをぬかしながら腰を動かし出すものだから思わず笑ってしまう。
左手で上を向いたそこをぎゅうっと握りしめているあたり、言い付けを破るつもりは無いようだ。


「あぁあ!…んっう、もうできらいっ、りおぉ、できらいっ!」


「まだ少ししか動いてないぞ?何を休んでいる、早く動け」


うっ、うっ、と嗚咽を漏らしながら最後の望みとでも言うようにうんと悲しそうな目をして此方を見つめる承太郎。可愛いことに変わりはないが、今の私に情などないことはこいつが一番わかっているだろうに。
つまらなそうな顔をして爪をいじってみれば、承太郎は余計に嗚咽を大きくして泣きながら腰を振りだした。


「あっん、はぁ、やんっ!あっ!ここっ……ひぁっ、きもちっ、ああんっ、もお出ちゃうっ、ああ、いきらいっ、いきらいよ…んんっ」


どう動こうと必ず当たってしまうであろう前立腺への刺激によりとろとろにふやけた承太郎は、喉をのけぞらせ、飲み込む暇すらない唾液を厭らしく口端から垂らしながら喘ぎとも言えないような矯声を発している。

ぐちゃ、ぐちゅ、ずちゅっ。
結合部には承太郎の腹の中に出された白濁が溢れ、ひくひくと開いているそこからは気が遠くなるほど恥ずかしい音が出ていたが、彼はそんなことなど気にもとめずに時々背中をぴん、と反らせて喘ぎながらたらたらとゆっくり動いている。
承太郎にはもう、恥ずかしがったり反抗したりする余裕はない。私の言いなりになっている承太郎の淫らな姿は更に私を興奮させた。


「承太郎…イきたいか?」


「っ、イきたいっ…ああっん、イきらいっ!…はあ、イか…せろっ、よぉ!」


「やだ」


彼の要望を無視して私から腰を動かしてやると、低く悲鳴をあげながら歯を食いしばって耐える承太郎。
耐え間なく痙攣し続ける手足は限界を訴えていた。空虚な瞳からは感情というものが欠落している。
続けて10回ほど中を突いて、私は承太郎の中に射精した。
すると、上を向いて今にもはち切れそうなほどの質量に膨れ上がっていた承太郎の雄から液体が飛び出した。

潮だ。承太郎はあまりの快感に耐えきれずに女のように潮を吹いたのだった。
承太郎は、あ、やら、あっ、と声をあげながら両手を使って噴射を制止しようとするが、そんなもので止まるわけもなく、私に怒られると分かっていてもびゅくびゅくととめどなく溢れでる初めての感覚に戸惑い、目を細めて感じいってしまう彼を私はただただ愛しく思った。


「ぁ……ぅあ…でぃお…ふぅっ、ん」


「…ああ、ほら泣くな。もういい。お仕置きはなしにしてやる」


「……ほんとうに…か?」


「んー、ああ。多分」


腹の肉がぐりっ、と摘ままれる。可愛い表情で睨まれたものだからまた少し勃ってしまった。我慢。
力が入らずに未だ私の上でぐったりとしている承太郎を持ち上げ、隣に寝かせる。彼は小さく震えていた。




***




軽く後処理をした後、二階からふかふかの布団を持ってきてベッドに敷いた。
ベッドに入ると目を腫らせてぽろぽろと泣いている承太郎がぎゅうっ、と私にしがみついてきた。


「…そんなにいやだったか?」


問えばもぞもぞと布団に潜り込んでこくり、と頷く承太郎。あの時は承太郎が可愛かったので反省はしていない。
優しく抱き締めてやれば少し安心したのか、涙が止まったようだ。

会話もなしにしばらく二人で抱擁し合っていると、半開きで眠そうな目をした承太郎が私の肩やら胸やらをちうちうと吸いだした。どうにかなりそうなほどに可愛い。身体中に痕をつけてほしい、承太郎の印を。
目の前でふわふわと揺れる承太郎の髪の毛は、昨日一緒に選んで買ってきたシャンプーの良い香りがした。
毛束をいじって遊んでいたら、ふふっ、と愉しげに笑い出した承太郎
つられて笑いながら私は呟いた。


「you mean the world to me.」






___三つ編みができたぞ承太郎、これで明日学校に行くといい

___馬鹿か



2016.01.17
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