二年越しの片思いがようやく昨日実った。
足立に想いを告げて、そしてあいつも同じ気持ちを抱いてたことを知り、恥じらいもなく抱きしめてしまった。

「品川、花さん泣かせたら承知しねえから」

翌日、教室入ってすぐに胸倉を掴まれ俺は足立の元舎弟から忠告を受けた。なんでお前に言われなきゃなんねえんだよ。あくまでも隠し通そうとしたが女は苦虫を噛んだように、昨日花さんが泣きながら教えてくれた、と言って胸倉の拘束を解いた。

あいつ…言いやがったのか、口が早い。
しかしあいつらの根元の関係を知らぬはずがない俺は、足立を責めるのも女の寂しげな表情を問い詰める気にも自然とならなかった。そして小さな不満を舌を打つだけに留めておいた。



「品川君っ、お昼ご飯食べましょう!!」

関係が変わったとしても日常までは変わらない。足立はいつも通り厄介な節介焼きで、事あるごとに文句をつけてくる。何も変わらない。もしかしたら俺の方が意識しまくってるんじゃないだろうか。

(いっそ好きだと言ってしまったほうがすっきりするかもしれない)

鼻で歌いながら弁当を用意するこいつに顔を向け口を開いて、閉じた。喉の所まで出掛っているのにもどかしい状態。前に母親が気持ちはすぐに伝えるべきだと豪語していたが、俺には大分難しい。世間一般の恋人になっても一番言いたい事は言えそうにない。

「足立、」

花、

「好きだ」

動かしてた手を止められ、しばし俺を見つめる間抜けな顔。
しかしすぐにそれは赤みを帯びて手元へと戻された。彼女の口元は緩く弧を描いている。ああ、やっと見れた。そんな気がして軽くあいつの頭を小突いてやる。

こいつの傍に居たい、そう思ったのだ。


愛だとか恋だとか


(100522:滝)



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