アスパラガス/虎と兎

アレルギーでもなしに好き嫌いなんてこれだから温室育ちは、と嫌みを言いながらバーナビーの分まで平らげる虎徹に、違います有機無農薬の最高級のものを一度食べたら、普通のが苦くて不味くて食べられないだけです、と、言ったらテーブルの下からマジ蹴りが飛んできた。



カー/虎と兎

合図も声掛けも細かい打ち合わせもなしに同時に飛び出して、犯人グループを電光石火で確保したのはもちろんTIGER&BARNANYである。「ん」「はい」確保後、お互い相手のほうを全く見ずに、それでも同時に拳を合わせる。ツーと言わずとも。



コンティニュー/虎友

「絶対『地獄の底から戻ってきたぜ!』だってば」
えー、俺『お待たせしましたタイガー参上!』がいいと思うんだけど。
「今日の虎徹君は解答権なーし!」
……ごめんって。怒ってる?
「当然でしょ。さっさと起き上がらないと、死んでも許さないわよ?」



したたる/虎と牛

そもそもこの産地は、この焼き加減はだな、とアントニオは長々と語り出す。目の前にちょうど食べ頃のA5ステーキがなければとっくにうぜえ黙れと蹴り上げているところだ。大変お行儀良く辛抱強く、虎徹は皿にお肉が取り分けられるのを待った。



ひとすくい/虎薔薇

両の手いっぱいの水を、カリーナはすくい上げた。
「ねえ、賭けてみる?」
「何を?」
「ーーこれであんたを、完全ホールド出来るかどうか」
「…へ、それどういう意味……?」
「さぁ?自分で考えたら?」
「………最近のJK、ちっとも笑えねえの!」



半世紀/マベ

化物と罵倒され石を投げつけられては唾を吐かれたあの日の屈辱を、私は死ぬまで忘れない。私たちは化け物ではないと叫んでそれだけ経った。ヒーローズ、君らが化け物や珍獣ではなく、ヒーローたる所以とは、私や先人たちの屈辱を踏み台にして、初めてそう呼べるのだ。



謝罪/虎と炎

「人間、男女間でも、例えオカマでも、やっていいことと悪いことがあると思います」
あんまり聞きたくないんだけど、何したの?お説教をする虎徹と、ただ土下座するネイサンを指差してカリーナが問うが、子供にはまだ早い、とアントニオは慌てて彼女の耳を塞いだ。



寄り添う/ジェイクリ

あれは、綺麗なばかりの女じゃなかった。盲信的な愛だけで献身を成り立たせるわけではなく、当たり前の人間らしく、行動全てにわずかばかりの打算を含んでいた。
(最期は、必ずあなたに殺してほしい)
その声が絶対に届くと知りながら、彼女は今日も己の側にいる。



籠城/虎と龍

こんなガキ臭いことせずにさっさと出て来い!と言えば、そんなまるきり女の子みたいな服着せられるくらいなら子供でいいもん!と扉の中から答えが返ってくる。楓ならば、一人前のレディ扱いすれば一発で出て来るというのに。やはり年頃の女の子はよく分からない。



嘘のような本当の話/虎と空

「知ってたかい、ワイルド君!ドッグフードも、会社によって味がちょっとずつ違うんだよ!」そう言われ混乱し、「どれが一番ペディグリーチャムだった?」と更にかっとんだ質問投げつけて、地獄絵図になった時ほど自分の精進不足を嘆いた瞬間はない。



Q.E.D.

一口10シュテルンドルから、全国どこから誰からでも受け付ける。しかし一個人からの1万シュテルンドル以上の過度な寄付金は、本人の意志により断固として認めていない。以上、ファンによる、ワイルドタイガー賠償金への、寄付について。


才能/折紙

「今期一番注目してるのはサーバントサービスでござるが、ラブラボもなかなか良かった。ただの百合枠で萌豚pgrとか思ってたらあざといけど、ほのぼのでいいアニメでござった。大体、昨今のオタクはこういう設定なら萌えるんだろ?みたいなあざとい展開は誰も嬉文字数



半額値引きセール中/虎と月

「とか、連続ご利用値引きセールとか、ないんですかね…?」
「あると思います?またのご利用をお待ちしてます」



ご都合NEXT/折紙

「獣耳獣化、幼児化に年齢操作、性転換、地味おじなどの性格改変、タラシになって総受状態、発情するNEXTはもちろんテッパンで、えーとあとは24時間以内に男に犯されないと死ぬNEXT…。ダメだ、どれも軒並み個人誌どころかアンソロで出てる……」


真顔/兎と空

ウォーン!くぅーんくぅーん、キャンキャンキャン!ウウウォーーーンっ!
「…何か悪質なNEXTにでも?」
「やあバーナビー君!ジョンの心を理解するにはと色々考えた結果、やっぱり犬になりきるのが一番だと考えてね!君もどうだい?」
「いえ僕は。結構です」


上品/アニエスと虎

「○○○野郎!絶対○○させてやるわ、クソ○○っ!」
どんな嫌みもなんなくかわし、お偉方に尻触られようが気にもしない彼女だ。いつものNEXT差別と侮蔑だって、お上品に微笑んで聞き流す。そいつが去った瞬間、あらんかぎりの悪態をつくのも、いつもこと。


ノート/薔薇

「カリーナって、最近ゆるキャラにでもハマってるの?」
「はぁ?なんでよ?」
「ノート。緑の犬?エイリアン?みたいな落書きばっかじゃん」
「どれが犬でエイリアンなのよ!? 虎なの!これは虎!……っていうか違うから!虎になんかハマってないからっ!!!」



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