チーム分け
アイアンマン/キャプテンアメリカ

ピッチャー
アイアンマン/キャプテンアメリカ
キャッチャー
ウォーマシン/ウィンターソルジャー
遊撃手 ショート
ブラックウィドウ/ホークアイ
一塁手 ファースト
ブラックパンサー/ファルコン
二塁手 セカンド
スパイダーマン/アントマン
三塁手 サード
クイックシルバー/エージェント13
右翼手 ライト
ハルク/ソー
中堅手 センター
ヴィジョン/スカーレットウィッチ

左翼手 レフト
ジモ/ラムロウ(ジャック)

マネージャー ナマエ・ミョウジ
サポーター ジャーヴィス フライデー
顧問兼監督 フューリー
助監督   マリア・ヒル コールソン


ルール

超人や超能力者に、スーツ着用組が生身では厳しいので、スーツ着用可。あとは通常通りなのでカオス。ばかばか点数は入るので、最終的に点が高かったほうが勝ち。


そんなに詳しくないので、野球は雰囲気だけ。
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カキィーーーーーーン……

青い空に、白い軌跡が描かれる。
むわん、と熱気の立ち上るグラウンドで、睨み合うのは、投手と打手。守備も攻撃も、垂れる汗には目もくれず、固唾を飲んで、無言の攻防を見つめている。
ああ、青春を謳歌する若人たちよ――。


ナマエは、耳につけていたインカムに手をやった。なんだか、変な飛び方をしている打球に目をやりながら。

「――ジャーヴィス、捕球よろしく」
『はい』

返事より先に、校庭の向こうから、アイアン軍団が飛び立つのが見えた。ホームを見れば、悠々とハルクに変身したバナーが、戻っていく。転がっているバットは、いつものようにくの字に折れ曲がっていて、ナマエはため息をついた。

「青春はいいんだけど、ちょっと、元気が良すぎなんだよねー」

よいしょ、とクーラーボックスを抱えなおして、のんびりと足を進める。




「お疲れ様ですブルース先輩」

返事の代わりに唸り声。太い腕をぽんぽんと叩いて、ペットボトルの蓋を開けて渡す。2Lのスポーツドリンクがどぼどぼと消えていくのを見やり、また追加が必要かなあ、と苦笑して、得点板に近づく。
7回裏――、67対79で、チームキャップがおしている。接戦だな、とナマエは息を吐く。今のホームランで3点追加。70対79。
ベンチに戻って備品チェックをすれば、バットが、折れるか曲がるかして10本ほど駄目になっている。ボールはアイアン軍団の健闘により、幸いにも5個の紛失に抑えられている。5個のうち、3個は破裂。2個は、行方不明。
と、リストと眺めっこしてるうちに、ソーがバッキーとラムロウに担がれてやってきた。ナマエは驚いて、立ち上がる。

「……っ重、てえ……っ!」
「うっわあ、よく担いでこられましたね。ソー先輩、アスガーディアンなのに」
「……お、おお」

悪態を吐きながら、ソーをベンチに転がしたのは、ブロック・ラムロウ。彼は、今回の校内試合に人数が足りないということで、バッキーが、彼の編入前の高校、ヒドラ高校から呼んだという助っ人だ。以前に、ナマエたちのアベンジャーズ高校に交換留学をしていたとか。
ナマエの、素直な賞賛の瞳に、決まりが悪そうに眼を逸らして、友達だというジャック・ロリンズのもとへ歩いて行った。その頬がうっすらと赤いのにバッキーだけが気づいて、胡乱な瞳を向けていた。

「ありがとうございますバッキー先輩。どうしたんですか?」
「ハルクの打球をキャッチしようとしたんだが、顔面に直撃して、それから地面に墜落した」
「……なるほど。どおりで、変な風に飛んで行ったと」
『捕球完了いたしました』
「ありがとうジャーヴィス、フライデーも。フューリー監督にも報告よろしく」
「――休憩だ。ソーを頼む。あっちのボックス持って行っていいか?」
「ええ、どうぞ。足りなかったら言ってくださいね」
「……ちゃんと休むんだぞ」
「はーい」

バッキーが、金属の手でいたわるように、ナマエの頬を撫でた。その冷たさに、ナマエが気持ちよさそうに目を細めるのに、小さく笑って、自陣のベンチへと歩いていく。ソーが呻いたのに、ナマエは、冷やしたタオルをその額にのせてやった。



チームアイアンマンへと、ドリンクを運びに行ったところで、バナーがハルクの姿からもとに戻ったのだが、ナターシャによって、目をふさがれたため、ナマエは、ハルクのハルクを見ずに済んだ。ん、と足を止めた。

「――こんにちは、お疲れ様です。ええっと、ジモ先輩」
「ああ」

トニーたちから少し離れた位置に、無言で並んでいる2人に、声をかける。

「それから、ピエトロくん、は、ワンダからよく話は聞いてるよ」

ふん、と鼻を鳴らしてそっぽを向いたピエトロを、ジモは呆れた顔で見つめた。2人も、助っ人だ。ワンダの転入前のソコヴィア高校から。ピエトロにいたってはワンダの双子の兄だ。
ボックスから取り出した、ペットボトルを手渡せば、ジモはきちんと礼を言ったが、ピエトロは無言。ナマエは、気にせずに隣に腰かけた。

「すごかったね、ランニングホームラン」
「……別に、他の奴がノロマなだけだし」
「うん、えっと、……そっか」
「…………、……」
「……、……」

両手を開いたり閉じたりしていたナマエだが、ゆっくりと立ち上がった。けれど、ぱし、と手を掴まれる。

「え、と……ワンダも、よくアンタのこと言ってる」
「え」
「大好きな親友だって」
「…………そっか」

目を見開いた後に、ふんわりとほほ笑んだナマエ。至近距離でそれを見たピエトロは、がちり、と固まってナマエはすぐに歩いて行ってしまう。
沈黙。頭を抱えたピエトロの耳が真っ赤なのに、ジモはもちろん気づいていた。

「……そんなのじゃ落とせないぞ」
「落とっ……」
「ライバルは大勢いる。お前は学校も違うし、いいとこ見せられるよう、せいぜい頑張れよ」

あまりにも普段らしくない、ジモの言葉に、ピエトロはまじまじと彼を見た。しかし、彼の視線の先――ナマエを呼び止めて話している人物を見てすぐに、半目になってため息をつく。

「……あんた、キャプテン・アメリカに負けたくないだけだろ」
「…………うるさい」



シビルウォー(仮)

(続くかも)