「痛いよ仁!!」



「うるせえ」



「もっと優しくしてよ」



「俺に指図すんじゃねえ」










私の彼氏、亜久津仁は大分乱暴です
見た目もいかついし言葉遣いも悪いし



今だって仁がキスしてくれたんだけど


仁のはキスじゃない




唇を噛みつく感じ
唇は血がうっすら滲んでる



だから私は我慢できなくなって言ったんだ




「痛いよ仁!!」



そしたら



「うるせえ」



うるせえだって信じらんない

血が出てるのに謝んないなんて




他にも仁が乱暴な時がある




例えば仁が私を抱きしめるとき




抱きしめてくれるのはすごく嬉しんだけど
仁のは窒息しそうなほど強く抱きしめる

苦しくてしょうがない





手をつなぐときだって


手を握るんじゃなくて、手首を掴まれて引っ張られる
お陰で手は真っ赤・・・




その他言い出せばきりがないほどたくさんある




だから仁わかってもらいたくて話すけど

「俺に指図すんじゃねえ」って言われておしまい

別に指図してんじゃなくてお願いしてるんだけど・・・


いい加減疲れたよお





「仁・・・」




「・・・。」




「仁?」




「うるせえな なんだよ」




「私、仁とはもう付き合えない」




ホントに無理だよ
もう少し優しくしてよ・・・


こんなんで付き合ってるって言えるの?




「そうかよ」




あーあ
やっぱ仁との関係はこんなもんだったんだ





「今までありがとう。」




私はそれだけ言ってその場から逃げるようにして出てった

それからの事は覚えてない


気がつけば屋上にいた




仁と別れて良かったはずなのに次から次へと
涙があふれ出す




「うっ・・ひっく・・・」





「美夜ちゃん?」



誰かに呼びかけられ振り向けば千石くんがいた




「わあ、どうしたの?亜久津になんかされた?」




千石くんは心配そうな顔で聞いてきた




「なんでもないよ」




「嘘はいいから。」





”親友でしょ?”なんて後につけたす

それ言われたら私が弱いって解かってて言うんだから叶わない
私はしぶしぶ答えた




「・・・仁と別れちゃった」





「あっくんと?」






「うん、私から別れをきりだした」






「なんで?あっくんのこと嫌いになった?」






「嫌いなのかなあ・・・わかんなくなちゃた」






「・・・。」






「でも仁は私の事好きじゃ無いんだと思う」






「そんなことな「あるよ」






私は千石くんの言葉を遮った






「好きだったらもっと大切にしてくれるはずだもん・・好きだったら・・ひっく」





「もう言わなくていいよ」




そう言って千石くんが背中をトントンってさすってくれた








キイ―――−ッツ





いきなりドアが開いた






ドアの方を見てみれば仁がいた








「じ・・・ん」






目があったけど仁は無視して私たちを通り過ぎた





「ちょっと、あっくん!!」





「ああ?その呼び方やめろ」






「美夜ちゃんと別れたの?」






「ソイツが別れたいって言ったからに決まってんだろ」






「そんなの本心じゃないに決まってるじゃん」







「千石くんもういいから」







「でも」






「仁とはもう別れたの。関係ないから」






「亜久津、じゃあ美夜ちゃんと付き合ってもいいんだね」






「え・・・?」







「勝手にしろ」







何それもうわけわかんないんだけど









「あっそう。美夜ちゃん?」






いきなり呼ばれて千石くんの方へ振り向けば





「な...んんっつ」





キスされた






「ちょっ、ななな、なにしてんの」







「へへ。なにってキス 美夜ちゃんの唇柔らかいなあ」






「なっ///」






「顔真っ赤だね可愛い」






仁の方を向けば明らかに不機嫌
でももう別れたから関係ないし







「亜久津もったいないなあこんな可愛い子と別れちゃうなんて」






「チッ...おいちょっと来い。」






「えっちょっと...ちょっ」






仁がすごい勢いで腕を引っ張る













「まったく、世話が焼けるなあ。まっ美夜ちゃんとチュー出来てラッキー♪」





















「ちょっと、仁痛い」






「...。」






「痛いってば」







するといきなり仁が振り向いた
そして近くの壁に私を押し付けた






「いったい...」






右を向いても左を向いても仁の腕






「な、なに?」







「お前泣いてただろ?」






そう言って頬をさする仁






「泣いてなん...ッんん」






いつもの噛みつくようなキスじゃない仁のキス







「ハアッ...ッハア」






「...。」






「何でこんなことするの?私たち別れたんだよね?」







「ああ」







「仁わかんないよお。なんでこんなこと」









「好きだ」







「へっ?」







「おい、今の聞こえただろーが」







「うん。」







でも好きだって






「ったく」





そういって仁は耳元で







「好きだぜ、美夜。俺から離れんなよ」







「ばか////」






「なんだと?」



そう言って睨む仁







「ひゃ...んんっ」





さっきより深いキス






「ハア…はあっ」








「おい、なにへばってんだ続きやんぞ」





そう言って怪しげに笑った仁はやっぱり優しくなかった

























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もう亜久津じゃない!!
亜久津好きな皆さんに謝りたいです


すみませんでしたあああああああ






2012/05/07



あっくん HAPPY BIRTHDAY!!

























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