部室でラケットの手入れをしていると





「ねえ〜!ちゅーしよ!」


マネージャーの美夜先輩がおかしなことを言い始めた






KISS ME !!!!









「え、何言ってるんですか!」



「ねえ〜?長太郎だめ〜?」




「だ、だめに決まってるじゃないですか」





「何で?」





「何でって、美夜さんと俺は付き合ってるわけじゃないですし・・・」




「付き合ってないと駄目なの?」




まっすぐに見据えてくる美夜先輩の目が怖い





「ダメじゃないですけど、普通そういうもんじゃないんですか?」




「でも、跡部も忍足も毎日違う子とちゅーしてるよ?」



うう
痛いところをつかれた・・・


先輩達は女性関係にだらしがなさすぎる
俺でさえ先輩のちゃんとした彼女を見たことがない




「そ、それは例外と言うか・・・」



「もうなんなのさっ!」





それはこっちのセリフですよ
あーなんなんだこの先輩




しばらくすると
部室に宍戸さんが入ってきた



「「宍戸(さん)!!」」



「よお、2人とも早いな!」




俺は救世主が来たと安堵しホッとしたのもつかの間




「宍戸!聞いてよ!長太郎キスしてくれないの!」



例の話題を持ち出した
でもまあ宍戸さんは女遊び激しくないし良いことを
言ってくれるだろうと期待してると




「なんだよ長太郎。キスくらいしてやれよ」




宍戸さんが言わないようなことを言ったから
すごくびっくりしてラケットを床に落とした




「ししししどさん!?!?何言ってるんですか!」




「は?普通だろ。」



クールに言い放つ宍戸さん





「だっよね〜!よくぞ言ったよ宍戸!」



そう言って宍戸さんの肩を
ばしばし叩く美夜先輩

宍戸さんが痛えやめろなんて言ってる
けど、楽しそうだったので
微笑ましくなりにっこり笑うと



「ちょっと長太郎なに笑ってんの!」


そう言い放ち
俺のジャージのを引っ張る先輩
たぶん胸倉を掴みたかったんだろうけど届かなかったのだろう



「いや、宍戸さんと美夜先輩お似合いだなって思ったので」


ほんとに思ったことを伝えると
なぜか涙目になる先輩。
相変わらずジャージを掴んだまま。



どうしたらいいかわからなくて
宍戸さんの方を見れば睨んでるような
焦ってるような何ともいえない表情でこっちを見ている




「先輩…?」



俺は先輩の顔をしゃがんでのぞき込むと
さっきまでは辛うじてこぼれていなかった涙が
次から次へと頬を伝ってる




何を言ったらいいかわからなくて



「あっ…もしかして俺何かしました?」



そう問えば



「長太郎の…っク…ばかっ!!」




先輩は大きい声でそう言って
弱い力で俺を押し、部室から出ていった















「長太郎おまえが悪い。」



部室から先輩が出て行ってすぐに
宍戸さんが俺を真っ直ぐ見据えて言い放った



「え…?俺ですか?」



いきなり俺のせいと言われても
思い当たる節がなくて困った
さっきの出来事を思い返すがわからない。




あっ…!わかった!




「俺がキスしなかったからですか?」



「違う!お前馬鹿か!」




ば、馬鹿ってそんなこと言われても



はあー宍戸さんがため息をつき帽子を直しながら





「あいつはお前のことが好きなんだよ」




え....美夜先輩が....?



「そんな、でも....!」




「でもじゃねえ!それなのに俺とお似合いとか言われたらそりゃあ傷つくだろ」



「…。」




返す言葉が無かった
宍戸さんの言う通りでもし自分も好きな人にこんなこと言われたら
間違いなく傷ついていただろう





「おい、追いかけてやれよ」




どうしたらいいかわからなくて突っ立っている俺に
宍戸さんはそう言った





「....はい!」




俺は部室を出た




部室裏、屋上、中庭
どこを探しても見つからない





先輩どこ行っちゃったんだろ...




諦めて部室に戻ろうとしたとき



「...グス。」



茂みの方で泣き声がしてまさかと思い近くに行ってみると
目を真っ赤にさせて涙を流している先輩がいた





「...先輩?」



先輩の目線までしゃがむとおもいっきり逸らされた
俺が悪いんだけど...



「なんで目合わせてくれないんですか?」



「長太郎の顔今はみたくない。」



「ひどいです。」



「ひどいのは長太郎なんだから。」




そういって俯いてしまった先輩
先輩なのに俺より年下にさえ感じる先輩





「こっちむいてくださいよ。」



「絶対ヤダ。」




「先輩?そんな我が儘だとキスしちゃいますよ?」




その言葉にハッと先輩は顔を上げた




「やっとこっち見てくれた。」



先輩の顔が真っ赤になっていく
おまけに目には今にも零れるんじゃないかってくらいの涙をためて



「長太郎はずるい。後輩のくせに。」



「先輩は先輩なのに頼りなくてほっとけないです。」



「先輩らしくなくて悪かったわね。」



「でもそんな先輩が可愛くて仕方ないです。」



そう言って俺より小さい先輩を抱きしめた



「離してよ」


「何でですか?」



「彼氏じゃないのにこんなことしないで」



「じゃあ先輩付き合ってくれますか?」



先輩の顔を見れば耳まで真っ赤



「やっぱり長太郎はずるい。」



「なんでですか?」



「かっこよくて優しくて意地悪なところがずるい。」




そんな可愛いこと言う先輩に
キスをしてあげた
















KISS ME!!
(ななんで!?)(先輩が可愛いから)(ずるい。ばか!)















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なんてっこた!
よくわかんなEお話になってしまいました(泣)



2013.11.26

























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