「卒業おめでとうー!」 クラス内はシャッター音や、騒ぐ声で溢れていた。卒業式は終わり、教室での卒業証書授与も終わった。 「もう卒業かー」 「あっという間だったってば!」 「ウスラトンカチ、よく卒業出来たな」 「何をー!」 いつものばか騒ぎ。しかし全員、今日という日を終えてしまえば、こうして集まることが難しくなると分かっていた。 「大学入っても、仕事してても、また集まろうね」 「メアド変更しても教えてくれよ!」 「フン、どうだかな」 サクラが話題を提供して、ナルトが答えて、サスケがナルトに突っかかる。そうして過ごしてきた三年間も、今日で終わり。 「そうだ、二人とも」 「なあにサクラちゃん」 「何だ?」 サクラはブレザーのポケットから、何かを取りだし二人に差し出す。 「ストラップ?」 「うん、オレンジがナルト、青がサスケくん」 「お前のは?」 「私のはピンク。携帯につけてるの。…離れても、一緒だよ」 サクラが切なそうに笑う。それを見た二人は、アイコンタクトをとると、サクラを見た。 「あったりまえじゃん!」 「俺達はガキの頃からの腐れ縁だからな。離れたくても離れられんだろ」 「ナルト、サスケくん…。あはは、そうだよね!」 ナルトとサスケは自らの携帯にストラップをつけた。 「よし!写真撮ろう!で、ご飯食べ行こう!」 新たな門出 (別れじゃないから) 2010.3.2 |