お前は 俺だけのものだから 俺と ●ワルツを踊れ● いつからだろう。 彼女が、視界にいるようになったのは。 必ず、目で追ってしまう。 「あはは、でねー」 楽しそうに笑う彼女。 笑いかけている相手は、彼女の親友。 「なにそれー!」 女同士の、他愛のない会話。 それなのに…俺は嫉妬してしまう。 あいつは、俺だけに笑いかけていればいい。 あいつは、俺の為だけに泣いていればいい。 あいつは、俺に守られていればいい。 あいつは… 欲が尽きない。 じっと見ていたせいか、彼女が此方に気付いたらしい。 目があった。 「?」 此方に向かって首を傾げてくる。 そして、親友に手を振り、此方に向かって走ってきた。 「どうしたの、サスケくん」 どうしたのって。 妬いてたんだよ。 なんて言えるわけもなく。 「別に」 そう言うのが精一杯だった。 「そう?」 顔を覗き込んでくる。 …どうなっても知らねぇぞ? 「ねー?サス」 彼女からの呼びかけを、自ら止める。 いや、塞ぎこむ。 彼女の唇に、自分のそれを押しつけた。 「さ、サスケくん…?」 「お前は俺のことだけ見てればいい」 お前は、俺と ワルツを踊れ |