「サスケくん、何飲むー?」
「ブラックコーヒー」
「了解ー」


ぽかぽか陽射しが暖かい今日この頃。
珍しく休みが重なった二人は、のんびりと過ごしていた。

「はい、ブラックコーヒー」
「ん、さんきゅ」
「どういたしまして」

互いに自分の飲み物を飲みながら、本を読んだり忍具を磨いだり。

「…サクラ」
「ん?何?」
「お前よくそんな甘いもん飲めるな」
「えー、これそんなに甘くないよ?サスケくんこそ、よくそんなに苦い飲み物飲めるね」
「コーヒーはブラックが一番美味いだろ」
「不味いよ」

「お前コーヒー飲まないからわかんねぇんだよ。ほら、飲んでみろって」
「やだ!苦いもん…」

…このタイミングでその上目遣いは反則じゃねぇの?

なんて思いながらも、自然とサスケの口の端はつりあがっていた。

「飲んでみろって」
「やだってば…ん!」

突然重なった二人の唇。
同時に、サクラの口の中に広がる、苦味。

「んん…」

苦味が消えたあとも、唇が離れることはなく、幾度と角度をかえて重ねたままだった。

「飲めたじゃねぇか」
「ん…それは…サスケ…くんが…ん!」

次第にサクラの頬が火照りだす。
キスなんて今更…だがそんな初々しいサクラは可愛らしかった。

「たまには悪くないだろ?」
「…うん」

恥ずかしくて、目を合わせられない。
…けど

「サクラ?」

無意識に、彼の服を掴んでいた。

「その…あの…」
「?」
「もっと…キスしてほしいかなぁ…なんて」
「!…了解」

ゆっくりと重なる唇。
ほどよい苦味もいつの間にか心地よい甘味にかわる時間。
もう少しだけ、味わっていたい…





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