うちはサスケ。16歳。
うちは一族の末裔で才能もあり、里内でもかなりモテる。
趣味は散歩と修行、好きなものはトマトとおかかおにぎり。
悩みは、

「にーに!だっこ!」

今目の前にいる、この小さい生命体…。







「にーに!だっこー!」

今俺の目の前でぴょんこぴょんこと跳ねているのは、数時間前まで己と同い年であった彼女、サクラである。
新術だか新薬だか知らないが、五代目のための若返りを研究していて、成功。五代目が言うことには、サクラが実験体になりそれを試したところ、効果覿面、幼女になってしまったらしい。
現在元に戻す薬を開発中。まったく、火影というものは暇なものだ。
見たところサクラは3、4歳。元気である。うざいくらい。

「にーに、だっこしてくれないの?」

いろいろと考えていると、サクラがぐずりだした。
だっこだっことせがんでいたのを完全に無視していた。

「…ほら」
「やったー!」

お望み通りだっこしてやると、よほど嬉しかったのか、短い腕で首にしがみついてきた。
さて、これからどうするか。

「にーに!お外行こー!」

…散歩に決定。


「みてみて!ちょうちょさん!」

手を繋ぎながら近所をぶらつく。
サクラはキョロキョロしながら目にとまったものを挙げていく。

「おーい!サスケー!」

前方からの大きな声に、サクラはびくつき、俺の後ろに隠れた。

「うっせーぞウスラトンカチ」
「あんだとー!…ん?」

ウスラトンカチがサクラの存在に気付いたようだ。

「なんだ、それ」
「に、にーに、だれ…?」
「…もしかして、サクラちゃん?」

途端に、ナルトの目が輝きだした。

「可愛いー!だっこ!だっこしていいかサスケ!」
「やっ!」

サクラの俺の服をつかむ手の力が強くなる。畜生、可愛い。
しかし10分後。

「わー!たかーい!」

肩車をしてもらって喜んでいる。

「ナルトすごーい!たかいよー!」
「だろ!」

肩車なら俺だってしてやったのに…。今となっては後の祭りである。

「サクラ、そろそろ行くぞ」
「「えー!!」」
「二人して大声出すな。第一、お前は任務じゃねぇのか」
「は?」
「にんむってなーに?」
「お仕事だ。ほら、サクラも応援してばいばいしろ」
「ナルトがんばれー!」

サクラが短い手足をばたつかせる。

「俺今日は非番のはずだぜ?!」
「俺の代わりだ。俺はサクラを見ておくよう、五代目直々に言われたからな」
「おのれサスケー!」
「ふぁいとナルトー!」

ナルトからサクラを剥がし、手を振り続けるサクラのもう片方の手を引っ張りながら歩き出した。

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