百歩譲って知り合いに(空をとぶ5つの方法)

この間の飲み会で、ナミさんの友達に会った。
ロロノア・ゾロ
と言うらしい。

一目惚れした俺はナミさんにもう一回会わせてもらえることになった。
もちろん飲み会で、だけど。


「や!この間はどうも」


笑顔で隣に座った。


「…誰だっけ?」


笑顔が凍りついた気がする。



「…え-…っと、ゾロ、人を覚えるのが苦手なだけだから」




ナミさんの慰めが身に染みた。








軽い彼の軽いセリフ(確かに恋だった)

1.君ってかわいいね


誰だろう…この目の前にいる金髪の男は…

喧嘩か?と思ったら違うっぽいし

じっと見つめてくる

正直、うざい

「うん、やっぱり可愛いな」

「…は?」

ちょっと待ってください

何がですか?




2.名前で呼んでいい?


未だ混乱中の俺を無視してコイツは話続けていた。


「俺さ-三年のサンジって言うんだけど、お前一年だろ?名前は何て言うの?」



上級生だったのか!?
威厳なさそうだ(失礼)



「え…と、ロロノア…ゾロです、けど」


名前聞いてどうすんだ



「ゾロって呼んでいい?」



なんなんだ!!?





3.今度デートしようよ




「なぁ、今度の日曜日遊びに行かない?」



「はぁ?!」



どうして知り合って間もない人とどこかに行かないといけないんだ?!



「拒否権はないから。じゃあ10時にメリー号前な!約束だからな」




爽やかな顔で嵐は去って行かれた…




4.君の笑顔、好きだな



…来てしまった…。


「どうしたんだ?さっきからぶすっとして」


誰のせいだよ!!!



「ほっといて下さい」


あぁ、帰りたい…。
約束だと言われては(一方的だけど)行くしかないじゃないか


「ほっとけねぇよ。ゾロの笑顔が好きだから見てぇじゃんよ」


「えっ?!」


いつ見たんだ!?


「この間さ、ちらっと見て余りにも可愛かったからさ。笑ってたほうが良いぜ?」


「…そんなの俺の勝手だろ…」



不覚にもドキドキしてしまった…




5.俺を彼氏にしてみない?


た、楽しかった…


「クソ楽しかったろ?」


「う…」


そう、楽しかったのだ。



それに、かっこよかったんだ、サンジが。



「惚れた?」


クソっ!


「んなわけっ…!」



図星ではない…と思うのに顔が赤くなりそうだ





「じゃあ付き合おうか」







なんでそうなるんだ



「で、付き合っちゃったの?」

冷ややかな友人の目



「うるさい」



(あ-あ、赤くなっちゃって可愛いこと)




「ゾロ-!」


「あ、迎えだ…じゃあな、ナミ」





「…バカップルめ…」





ほだされちゃって…




恋人がドSなんですがどうしたらいいですか?5題(確かに恋だった)

そうですね、

1.何をされても笑顔で耐えなさい


携帯の着信音が鳴る。

「はい、もしもし」

「今すぐ買い物して来い」

「えっ!?俺今帰って来て下にいるんだけど?!」

「じゃあ、エースに頼む」

「行ってきます!」


仕事帰りで、疲れてるんだけど…




限界がきたら、

2.優しさが欲しいなあと呟いてみなさい


「ゾロってさ-…本当に俺が好きなわけ?もうちょっと優しくしてほしいんだけど…」


「精一杯、優しくしてるつもりなんだけど…」
「えっ!?」




かえって悪化したら、

3.たまにはやり返してみなさい


「じゃあ、たまにはゾロもやってみろよ!やったらわかるって」


「…絶対やだ」




返り討ちにあったら、

4.嫌いになるよとほのめかしてみなさい


「なんだよ、それ。俺の苦労もわかれよ。」


「…」


効果あり?


「じゃあ別れるか?」


えぇっ?!


それでもダメなら、

5.あきらめてドMの道に目覚めなさい


「やだ!嫌だっ!ごめん!俺が悪かった!」


「わかればいいよ」


惚れた弱み


「はぁ…」


また今日も仕事だと思うと辛い。

仕事、というよりそのあとのパシリ?



「…ん…さんじ…?」


「ん?起こしちまったか?」


「ん-…だいじょうぶ。今から仕事?」


舌足らずな感じが可愛らしい


「あぁ。行ってくる」



じゃあな、って言って行こうとしたら



ちゅっ



「えっ!?」


「…いってらっしゃい」


にこ-



か、可愛いっ!!



朝は天使のようだった
(きっと寝ぼけてるんだろうな…)



「行ってきます」



再度言って、家を後にした。

ゾロのためならいっか、と思った。






「…こんなもんでいいのか、アイツ。お手軽な気がするな…大丈夫か?」


天使では、ない






投げやりのアドバイス5題(確かに恋だった)


全部あります


1.目を逸らされるのは照れからじゃないって気づこうね


「ナミさんっ!」


「…なぁに?」


きっとまた、「彼」の話だろうけど。


「ゾロがね」


ほら


「見つめるとぷいって目をそらして可愛いんだよ!照れてるんだろうなぁ」



幸せな頭ね




2.バラの花束贈っていいのは二次元の住人だけだからさ「ナミさんっ!」


またかよ。


「何よ…」


下らないことで私の時間を盗らないでよ…


「ゾロにプレゼントするなら、薔薇と手編みのマフラーどっちが良いと思いますか?」


…。


「…気持ちで十分過ぎるほど足りるわよ…」



3.「見つめるだけで胸が痛い」か、相手は頭が痛いだろうよ




「あぁ、どうしようナミさん」



うざいうざい



「…チョッパーの家にでも行きなさい」



治らないでしょうけど。

可哀相に、ゾロ





4.いつ電話しても話し中ってそれ着拒だから




「ゾロ、付き合ってる人でもいるのかなぁ…繋がんないんですよ…」



いい加減にしてください




「付き合ってる人がいなくても、サンジくんがゾロと電話出来ることはないと思うわ」



もはや、ストーカーとして認識されてるんじゃ…




5.押してもダメなら引いてみろ、相手も大喜びだ



「全くゾロが構ってくれないんだよ!こんなにも愛してるのに!」



「…一回離れてみたら?サンジくんの有り難みがわかるかも」





物凄く低い確率で




(おまけ)



「久しぶりだな-っ!ゾロ」





「…誰だっけ?」




ストーカーは忘れたいものです






両想いの時間

ゾロと二人っきりのときにふと携帯を開いて1番最初に見えた22:22の文字。


「ロロノア・ゾロ、ロロノア・ゾロ、ロロノア・ゾロ」


「なにしてんの…」


「知ってるか?携帯開いて時と分が同じだったとき好きな人の名前を三回言ったら両想いになれるんだぜ?」


これは、さりげない告白のつもり。


「へ-。そのおまじない?、効くんだな。」


俺は勢いよくゾロを見た。


「へっ?」


あくまでもいつも通りのゾロの表情。


「たった今、好きになった」





抱きしめるぞ、コノヤロー





さよならの言葉と、

肌寒い夜の中、その時だけは永遠だと思える時間があった。



「なぁ、ゾロ…」


「ん…?」


「ジジイがさ…ダメなんだって…」


「ん…」


「ゾロと別れろ、だって…」


静かに頬を伝わる水が自分の涙だと気付くのに時間がかかった。


「ジジイなら、認めてくれると思ってたのに…」


ゾロは静かに聞いていた。
遠くを見つめて。


「ゾロ…」


「なに…?」


「遠くにいこ」


「サンジは…それでいいのか?」


「うん。いい。守るから、いこ?」


「…そうだな…ありがとう」

(ごめんな)


そういって笑ったゾロの表情の下に隠されているものに、俺は気付かなかった。



そしてゾロは俺の前から姿を消した。
あまりにも早過ぎた。
前から準備をしていたらしい。




残されたのは、最後の笑顔と一行の手紙。


"俺はサンジの足枷になりたくない"


あぁ、ごめん
俺は馬鹿だった
ゾロのことを考えていなかったんだな
そんなことないのに
足枷になんてならないのに
ごめん



もう一つ、手紙が出てきた
下手したら見つからなかったかもしれない手紙



ただ一言



"愛してる"




涙が溢れた




追い詰めたのは、
(俺だった)




愛してください

「なぁ、…好きだ」

「ん、俺もだ」


嘘つき


「愛してる?」

「愛してないよ」

「好きじゃないの?」

「好きだよ」

じゃあなんで

「愛してくれないの?」

「愛さないよ」

ねぇ、その瞳に映るのはだれ?

「俺達はなに?」

「友達」

返してください

「友達でもキスすんのか?」

「するよ」

ゾロの愛を返して

「だれとでも?」

「お前だけ」

その言葉は、勘違いを生み出す

「俺は特別?」

「特別だ」

「それなのに愛してくれないのか」

「あぁ、…誰かを愛することはない」




愛し方を忘れた君
(俺の知らない誰かに持って行かれた)




滴る雫

「そろそろかな…」


俺は当然のように風呂場に向かった。
さっきゾロが風呂からあがる音がした。
別に襲いに行くわけじゃねぇよ?
…いや、そりゃ襲えるもんなら襲いたいですよ。
何たって風呂後。色気倍増。
普段から色気振り回しるけど。
そんなときに行くなんて正直辛いもんがありまして。
でもなんとかもってる俺の理性。
だって襲ってしまったら必ずぶっ飛ばされる。
もしかしたら出ていかれるかもしれない。
それだけは避けたいわけで。
ならなんで行くかって?
あいつ髪の毛ちゃんと拭いてこねぇんだよ。
床に水滴が落ちる!
綺麗好きな俺にとってはちょっと勘弁してほしくて。
それに風邪引くかもしんないわけで。
いやゾロが風邪とか美味しい状況だけど!
…ね?
流石に病人襲うのはどうかと…
絶対襲うからその状態にならなきゃいいんだよ。
なったときは美味しく頂きますけど。
ほら、据え膳は食わなきゃ男の恥だろ?

…ゴホンそれにしてもなんで毎回毎回髪の毛ちゃんとふかねぇんだ、コイツ。


「なんで自分で拭かないんだ?テメェは」


俺に大人しく身を委ねてるこいつに聞いてみる。
…めんどくせぇとかかな…


「ん-…お前の手」

「手?」

「気持ちいい…」

うっわぁぁぁぁぁぁ!!!!!
ない!!!!それはない!!!!
なんて不意打ち!
ものすごく頑張って押さえてんのに!
何これ?!
誘ってんのかテメェはぁぁぁぁぁぁ!!!!!!



「それに…」

この時俺は、混乱していてゾロな表情に気付いていなかった。

「襲ってくれるかと思って」


平然とこの子は何を言っているんだろう。
もしかして今までの苦労は水の泡?!


「もしかして今までOKだったの?!」


「ん」

ぎゃあぁぁぁぁ!
俺今まで据え膳食ってなかったのかよぉ…

「もしかして、髪の毛乾かしてない日はOKな日?」


「あ-…うん。いいよそれで」


「…っ!お前から誘ったんだからな!」





__________________________
美味しく頂きました。




いや-面白い、コイツ。


実は最初から我慢してるなぁって気付いてたりして。
それがなんだかめっちゃ面白いわけだ。
何も言わないで我慢して。

コイツ俺が殴るとか思ってんだろうなぁ
いや、殴るけど
それでも恋人だから一応受け入れるぜ、俺は?

まぁ-でも流石になんだか可哀相になってきたなぁ…

今日は小言無しでなんだか考えながら髪の毛拭いてるし、相当つらいんかな
俺にはよくわからない
コイツも物好きだな

で、いきなり理由を聞いてくるから

手が気持ちいいって答えた。

まぁ嘘じゃねぇけど。
1番はお前が堪えてる姿が面白いから、とは言えないな。
しかし最近飽きたな。
よし、違うパターンでいくか。

「襲ってくれるかと思って」

面白いくらいびっくりしてるわ、コイツ。



「もしかして、髪の毛乾かしてない日はOKな日?」


ん?そうくるのか、コイツ。
…いいこと考えた。


「あ-…うん。いいよそれで」

今日は大人しく抱かれてやる。
今度から髪の毛はきっちり乾かしておこう。




(ノ><)ノ


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