渡さない

※…痛い系;さんじがかなり壊れてます




どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして

俺以外のやつに笑うんだ。


どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして

俺以外のやつと喋るんだ。


どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして

俺以外のやつといるんだ?



その瞳は、俺だけを映してればいいのに!!



どこかに閉じ込めてしまいたい。
俺だけのことしか考えられないように。


そうだ。閉じ込めてしまえばいいんだ。



「今日家に飯食いにこねぇか?」



誘い出すのは簡単。
こんなにも愛情を注いできたんだから、俺のことを信用してるだろ?


家にあげたらまず薬で眠らせた。料理に薬を入れるのは気が引けたがこれも全部お前のため。手荒な真似はしたくないだろ?
それから買っておいた鎖や首輪で繋いでおく。逃げられないように。
我ながらなんて手際がいい。これも愛のため。
うん、俺はなんて素敵なやつなんだ。


「…っ!どうして…こんなっ…!」


あぁ目が覚めちゃった?
素敵だろう?
やっぱりゾロは縛られてるのがよく似合うよ。
そういえばどうしてこんなことをするかだったよな。
何愚問なことを聞いてるんだ?
お前が悪いんだろ?


「…俺がっ、何したって言うんだよ…」


やれやれ、本当にテメェは阿呆だな。
お前が他のやつにかまうからだよ。
お前が構っていいのは俺だけだ。
悪い子にはお仕置きが必要だろ?
あぁ無駄無駄。その鎖は丈夫だよ。いくらテメェでも無理だ。
逃げようとすんなよ?
お前は俺のものだから。
あ、バイトも辞めといてやったから。
後お前の住んでたアパートも引き払っといてやったよ。
荷物も全部俺の家に送っといた。明日来るよ。
携帯も解約したし。
俺以外のやつに連絡する必要なんてねぇからな。
うん、やっぱり俺は素敵なやつだろ?
何たってこの一日で全てやったんだから。
愛が深いってやつだな。


「…っ!…狂ってる…」


うーん、やっぱり阿呆にはまだわかんねぇか。
まぁいいや、いずれわかるよ。俺の愛が。
たっぷり俺が教えてやるよ。
あぁ、もうこんな時間だ。
バイトに行かなくちゃな。
じゃあしっかりお留守番してるんだよ、ゾロ。





-------------------------
もうこれで俺の物。




「なぁサンジ…」


「なんだよ、クソゴム」


「ゾロの居場所、しらね?携帯もつながんねぇしアパートもいなくなってるし、いきなりバイトもやめちゃうしさ。心配だし」


俺は気付かれないよう、静かに笑った。


「さぁ?大丈夫だろ。あいつも大人なんだし」




何たって俺の物だしね。





expression

「好き」だとか「愛してる」とか、人はなぜ言うのだろう。言っただけで満足するような愛情なんて、俺はいらない。



「好きだ、ゾロ」
俺を抱きしめながら、毎晩のように繰り返される言葉。
毎晩毎晩よく飽きないものだと逆に感心させられる。
「愛してる」
俺はその言葉に「はいはい」と適当にしか返さない。
…返せなかった。
お前は言うだけで満足なのか、と不満になる。
一般から見れば「愛してる」とか言わない俺の方が酷いんだろうなとかぼんやり考えた。まぁそうだろうな。でも俺にとっては言葉にしてしまうと気持ちが減ってしまうような気がするんだ。今まで恋愛とかしたことがない俺にとってはなんだかもどかしかった。言葉に出すのが勿体ないとか考えてしまう。対するコイツは逆だ。ずっと飽きるくらい言っている。人の価値観は違うもんだなとかしみじみ思う。時々、凄く好きだな、ってときがある。苦しくてしょうがないのに言うことをしないのは、減ってほしくないから。コイツが好きだと思う気持ちが。
「ゾロ、抱きしめてもいい?」
サンジが俺の顔を覗き込みながら言った。
「もう抱きしめてんじゃねぇか。」
俺はそれに笑って答えてやった。
「ん-…もっとぎゅ-ってしたい。」
と言って力を込めて来た。こういうところが、うざいけど好きなとこ。
「愛してる」
耳元で優しく言われた。自分の顔は今赤いだろう。一瞬で体温が上昇する。相変わらずコイツの腕は俺を抱きしめていて、それがとても心地よい。そして、俺の耳にはサンジの
「愛してる」
って言葉が響いている。



コイツに言われるなら、言葉も凄くよく思えた。


________________________
お前だけだ




「ゾロって"愛してる"とか言われるの好きじゃねぇだろ」

抱きしめて、満足したのかコイツはさらっと言ってきた。

「!…お前…わかってて」

ぎろっと睨んでやると

「違う!誤解だ!…言ってんのは俺が言いたいからだし」

な?とか言って笑うコイツには、怒る気さえしない。

「なぁ…」

「ん?」

「何で言うんだ?」

ずっと思っていた疑問を聞いてみた。

「ん-…なんかな、上手く言えねぇけど…好きとか言うとどんどん気持ちが大きくなるんだよな。一種の自己暗示かもな。ていうか好きって気持ちが大きすぎて!言葉にだして改めてまた俺はお前が好きだって実感するんだよ。そんな気持ちを押さえる気はないぜ?」




…あぁ、そういう考え方もいいかもしれない。





grievous

※注意
死ねたではありませんが、それに近いです


「…なぁ、ゾロ」

「なんだ」

名前を呼んでみて理解した。
気丈に振る舞う姿が「辛いんだな」と実感させる。
自分を必死で強く見せようとしている。
その姿が痛かった。
俺はゾロに何もしてやることが出来ないのかと、絶望してしまいそうになる。

「大丈夫か?サンジ」

何がだ。俺はなんともない。
辛いのは、お前だろ?
俺は唯の自己嫌悪。
自分の情けなさで落胆してしまいそうな程の。
違うんだ。俺は落ち込んじゃいけないんだ。
俺が、支えてあげたいのに。

ふと見たゾロが苦笑を漏らした。

「なんでテメェが泣くんだよ、馬鹿」

俺の目は涙で溢れた。
情けなくて、悲しくて。

「なぁ、…サンジ」

ゾロは優しい声色で俺の名前を呼んだ。

「いやだ」

俺は、これからゾロの口から出る言葉聞きたくなくてゾロが言葉を続ける前に遮った。

「絶対、いやだっ…!」

俺の言葉は悲痛な叫びとなって





ゾロ病室に響いた。







「…っ!ダメ…なんだっ!」

ゾロの目には涙が溜まっていた。

「俺はっ…もしかしたら帰ってこれねぇかもしんねぇんだっ!」

その言葉を言わせたくなかったのに何やってるんだ俺は。

「そんなこと!」

ない、とはゾロの言葉によって続けられなかった。

「あるから言ってんだろ!…っ俺は…お前に"待ってて"なんて言えねぇんだ!」

ゾロの言葉が続く。
ゾロの目に溜まっていた涙はいつの間にか頬を流れていた。

「"待ってて"って言ったら…言わなくても、お前は…お前を縛り付けてしまうだろ…?」

最後の言葉は、弱々しくなっていた。
この期に及んで、ゾロは自分のことよりも俺の心配をしているのだ。
不謹慎だけど、愛されてるなと思った。
それなら、俺だって同じだ。
お前を、一人にする気なんてねぇよ。

「それでも…待ってる」

だから、

「帰ってこい、ちゃんと…俺のところに、さ」

ゾロをそっと抱きしめた。
管とかに繋がれてるゾロは前とは比べものにならないくらい細く、弱くなっていた。

「いまさら、だろ?」

本当に別れたかったんならずっと前に、…病気がわかったときに言ってるだろ?
つまり、俺に側にいてほしかったんだろ?
…こういうときくらい素直に甘えろよ。

「サンジ…っ」

待ってるから、諦めんな。







__________________________
おかえりと、言わせてくれよ



↑つづき



「なぁ、ゾロ」

俺は眠るゾロに話しかけた。

「あの時、本当は行ってほしくなかったって言ったら、笑うか…?
あの言葉は、自分に言い聞かせてたんだ
絶対、帰ってくるって…
そう信じなきゃって…」



「なぁ…」




「…うるせぇ」



寝ていたはずのゾロが、ゆっくりと口を開いた。



「…起きてたのか」

気付いてなかった俺は、本気で驚いていた。


「わりぃかよ…」

「いや…」

ゾロはおもむろに喋り始めた。


「いいんじゃねぇか?…終わりよければすべてよし、だろ?」


ゾロは微笑んで言った。
あれから手術が成功したゾロは元気を取り戻していった。
結果的によかったんだ、これで。



「なぁ、サンジ…」

「ん?」

「待っててくれて、ありがとう」

「ん」

ウサギの形をしたりんごをゾロに渡しながら答えた。





「ただいま」


「おかえり」



やっと言えたな。






愛情表現

たまに不安になるんだ。本当は好きじゃないんじゃないかって。だってお前は「好き」とも「愛してる」ともいわねぇじゃねぇか。お前は優しいから、俺を傷つけないようにしてるんじゃないかと。


「お前にとって、言葉だけが愛情なのか?」


「いや、だって…よ」


聞きたいじゃないか。それが嘘でもなんでも。愛されてるって。


「好きだ、愛してる、お前じゃなきゃだめだ。」


無気力に並べられた言葉。それは望んだはずの言葉なのに。嘘でもいいって思ってた言葉なのに…


「満足か?それともまだいってほしい言葉があるのか?」


視線が、痛い。いつもなら満たさせてくれる言葉が、ひどく空虚感をだしていた。



「いや…ない、けど」


言葉がつまる。


「そ」


去っていく君。呼び止めることも出来ないのはなぜか。


「サンジ君の気持ちもわかるけどね…」


わかってるんだ。


「ゾロの意見に賛成だわ」


自分が何を言ってしまったかなんて。ゾロがどんなやつかなんて。俺のことどんな風に思ってるかなんて



「聞かなくても、言われなくても、見てれば…わかるのに」


ごめんな、ごめん。不安だなんて思うはずがないんだ。まっすぐなお前は、嘘なんてつかない。ちゃんと示してくれてるのに。


「ごめん…」


そっとゾロを抱きしめた。


「ばかが」


ばかだな、俺
そういって抱き返してくれる君の腕から、愛情が出てることに幸せを感じることをすっかり忘れてたよ。


言葉なんていらない

________________________
行動で伝わるから




おまけ



「ここが船の上だって忘れてんじゃないの?あいつら」

「ふふっ熱いわね」


「せめて見えないところでしてほしいわ」



妬けちゃうじゃないの。







「虚しい」


突然何を言い出すのかと思ったらそれで、正直、だから?という感情しか生まれない。いきなり独り言をしゃべりだすときは決まってこの言葉から始まる。あまりにも何回も言うもんだから「何が?」って聞いたことがある。「お前にはわかんねぇよ」って言われて終わった。苛々するのは日常茶飯事。この苛々の原因は今日もまた「虚しい」と呟く。わかってる。どうせ女のことだろ?いい加減にしてほしい。せめて、せめて俺のいないところで言ってくれ。虚しいと思ってしまうから。俺に話せなんて言えない。聞きたくないが。いつもそんな感じで終わる筈が今日は違った。ポツポツと話し始めた。「俺さ、好きなやつ…いるんだ」やっぱりな。お前が考えてるのは女だけだろ?「そいつにさ、振り向いてほしいんだけど…怖ぇんだ」以外と好きなやつの前ではヘタレなんだな。ラブコックとか言ってる癖に。「怖いのは…嫌われたくねぇからなんだ…素直にもなれねぇし、そいつも素直じゃねぇし」誰だそれは。ナミもロビンも素直な方じゃねぇか。「でも、もう考えるのはやめた。俺は、素直に言うことにした。」そうかよ。わざわざ俺に報告?ご苦労なこった。「せいぜい頑張れば?」出た言葉は精一杯の強がり。逃げるようにキッチンから出ようとする。だがそれはサンジの手によって止められる。なんなんだよ。ほおっておいてくれよ。「なんだよ」俺はサンジを睨み付けた。


「俺はお前が好きだ」




視界が滲んだ気がした。







__________________________
どうか、夢でないことを願う




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