「お前ってさ、傷つけられるの、好きなの?」


「はぁ?」

怪訝そうな顔でこっちを見る
どんな顔でも可愛いと思ってしまう俺は、末期だろうか


「だってさ、お前体中傷痕だらけじゃん。背中は綺麗だけど」


「うるせぇ。剣士なんだ。仕方ねェだろ。好きで付けてるわけじゃねぇ」


「それでもなぁ…」


傷に嫉妬する、なんて言えねぇけどな


「阿呆か」



「…傷、付けていい?」



「人の話を聞いてんのか、テメェは」



「いいじゃん。痕、付けたい」

俺のものだって言う、証を


「…やっぱ、阿呆だ。テメェは」


痕なんて、沢山付けたくせに


俺のものだなんて証、今更だよ



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心も体も、お前が付けた痕でいっぱいだ





鈍い男

靴箱を開ければ、甘いニオイのする箱があった。


「…?なんだこりゃ?」


カードが挟んであった。


『愛しの君へ

君のために作ったんだ

ラブコックより』


「…きもっ!」

今時こんなことを平気で言って、ラブコックといえば

「…サンジか…ってことは」





「おい」

教室に入るなり一目散に向かった。

「靴箱に入ってたアレだけどよ」

「え?う、…うん」

「間違ってたからちゃんとナミに渡しといたから」

心なしかサンジの顔が青くなった
間違ったことがそんなに嫌なのか。
それもそうか。




聞き間違いだと思いたかった

「間違って…た?」


「あぁ」


嘘だろ…
俺はお前に渡したのに!
間違ってたって!
頑張ったのに!
めっちゃ頑張ったのに!!
しかも相手が女性なら取り返すことも俺にはできない…
せめてもの救いが、ナミさんは俺の想いを知っているということ


「ざ、…残念、だったな」

鼻が慰めて来た

暫く、立ち直れない






「…ねぇ、ロビン」

「なぁに?ナミ」

「このケーキ…物凄くゾロへの愛が感じるんだけど…」

「ふふっ、流石だわ」

「名前を書かないサンジ君もあれだけど、ゾロもいい加減気付けばいいのに」

「あら、そうかしら?」

「え?」


「ナミ、ロビン」


ゾロが突然やってきた


「言い忘れてたが、俺、甘いのだめだから食べといてほしいんだ」


ぽかんとするナミ。


「ね?」


「…サンジ君も大変だわ」



鈍くなんかなかった。
つまりは確信犯




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コロコロ変わる顔が面白くて




それはとても残酷な(なみぞろ←さんじ)

こんな感情、知らなければ傷つかないですんだのに


「私、ゾロと付き合うの」


それは、俺への警告


「渡さないから」


冷たい目
オレンジの髪の可愛い人
その時だけは、恐かった





「ナミさんと付き合うんだってな」


いつものように昼寝をしている、愛しい人
想いが届くことは、ない


「あぁ、…悪い」


静かな、謝罪

違うのに。
好きなのはお前なんだ
叫びたいほど


「でも、」


聞きたくない


「渡さねぇから」


視界が滲み出した


「わかってる」


そういってその場から逃げ出した。




「渡さないって、言ったでしょ?」





それはとても残酷な、


…真実



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伝えることも、許されないのか




引き留めて

「…別れよう」


「わかった、サンジがそういうなら別れる。バイバイ」


淡々と言ってサンジの家から出ようてする


「嘘!嘘だ!!嘘なんだ!ただゾロに『嫌だ、別れない!』なんて言ってほしかっただけなんだ!別れない!別れたくないよ!ゾロぉ!」



お前の考えなんてバレバレなんだよ。




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引き留めてほしかったの




おねだり

「キスしろ」


「…は?」


いつもそんな言葉を言うのはサンジからだった。

多分、いや初めてゾロから言われた。


(キスしてって…お前!可愛すぎ!)


「してくんねぇの?」


(やばいよ!どうしたんだ、コイツ!!)


「…どうしようかな?」


ニヤリと笑ってゾロを見る。


「…いつもは自分から誘う癖に」


(あぁ!もぅ可愛すぎ!)


「嘘。俺がお前の誘いを断ると思う?」


そっと唇にキスをした。



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たまにはこんな日も





罰ゲーム(さんぞろ前提なみぞろ)

「ナミさん…何、してるんですか?」


見つめる先にはオレンジの髪の可愛い人。
笑って言おうとするが、自分でも引き攣っているのがわかる。


「ん?見てわかんない?座ってるの。ゾロに」


そう彼女は、ゾロの膝の上に座っていた。


「…なんでですか?」


我ながら大人げないが、正直ナミさんでもゾロに触れるのは、嫌だ。


「知りたい?」


すべてを見透かしたように言うナミさん。
ステキだけれども…!


「知りたい、です」


どうしてゾロが何も言わずにナミさんを乗っけているのかも。


「罰ゲームよ。」


「罰ゲーム?」


「この間、皆でやったゲーム。決めてたでしょ?最下位は一位の人から罰ゲームを決めて貰うって」


あぁ!そういえばそうだった。

…?

「でも、最下位は俺じゃ…?」

「うん。だからこれが罰ゲーム。悔しい?ゾロを取られちゃって」


にっこりとこっちを見た。

…敵わない。


「ゾ-ロ!頭、撫でて?」


「わ、かった」


あ、喋った。…じゃなくて!
羨ましい…
俺だってなでなでされてぇよ!
しかもゾロ!赤くなっちゃって…
可愛いけどっ…!
そんな顔、他の人に見せんなよ!
ジェラシー感じるぜ…


そう思っていたら無情にも


「今日はゾロに接触禁止ね。サンジ君」



この罰ゲームは厳し過ぎます。



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さんぞろはなみの手の上。


↑その後



「…で?お前は何拗ねてんだ。」


見つめる先には明らかにふて腐れたサンジがいた。


「別に-?羨ましいなんて思ってねぇよ」


「羨ましいって何がだ…」


この男の考えはわからない
めんどくさいと思ってその場から立ち去ろうとしたら


「ど-せ俺のことなんて気にかけてもくれないんだ」



うぜぇ!
子供か!テメェは!



「…どうしろって言うんだ」


必死で苛々を抑えて言った。
別にほっといてもよかったが、そうすると後が面倒だ。


厄介なやつ…



「俺も…なでなでしてほしい」



「はぁ!?」



マジで子供だな、オイ。



「馬鹿か。」



「うるせぇ!昨日ずっと触れなかった上にあんな状況みせられて辛いんだ、俺は!!」


…呆れて物も言えない。



「なでなでしてくれ!!」



必死に言ってくるコイツは馬鹿だと思う。



それでも、ちゃんとしてやる俺も、呆れるほど馬鹿だ。



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好きだから甘やかしてしまう



愛情比

「絶対、俺の方が好きだな。」

「は?」


唐突に言われて理解することができない。


「ゾロと俺の愛情比。絶対俺の方が多い!」


まったく…こいつの考えはわからない。


「なんだ、愛情比とは」


「そのまんまだよ。俺が7でゾロが3。下手したら9対1かも…」


自分で言ったことに対してへこんでどうする。
しかし気に食わない。


「…お前はそう思ってやがんのか?」


「だって、さ。愛情をもっとほしいんだ!」


呆れた。


「俺、結構愛情伝えてるつもりなんだけどな。」



「えっ!?そうなの?」


失礼なやつだ。


「愛情比は4対6だ。俺の方が上だ。」


「俺だ!」


「俺は、サンジが思ってるよりずっと」


愛してるぜ?


耳元で囁いてやった。

真っ赤になってたじろぐ姿が面白い。


「おまっ…!どこで、そんなテクを!?」


「ば-か、お前だろ。お前が教えたんだ。」


いつもの仕返しだ。


「…それでも俺の方が上だ。」


譲る気はないらしい。
こっちも一緒だ。


「じゃあ、6対6で」


「10を越えてるぞ?」


「うるせぇ。いいんだよ。120パーセントだ。」


そもそも限界なんてねぇ。

「ははっ。なんだそれ、面白いなゾロは」



互いに好きでしょうがないよ。



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愛情に限界など、ない。





料理

「ね、何食べたい?」


好きなのを作るよ、と言って冷蔵庫を開ける。

「ん-…何でもいい。お前が決めて。」


そんな。


「ぞろが食べたいのを作りたいのに。」


「別に、何でもいい」


「…作らないよ?」


とか言いつつ結局作っている。


「え-、それは嫌だ。サンジの飯が食いたい。」


「それはそれは」


嬉しい限りで。


「サンジの飯は何作っても上手いから決めらんねぇんだよ。」


思わず持っていた包丁を落としそうになった。



「…何やってんだ、お前。」



「う、うるせぇ!いきなり可愛いことぬかすからだろうが!」


「あぁ!?知るか。」



「…ついでに、俺も食べない?」



おどけたように言った。




「…食べられるのは俺だろうが…」



そりゃそうだ。



「じゃあ、ゾロを料理したいな-」



美味しくするよ?



「…あほ」



赤くなって可愛いこと。




「…飯食ったら…」



了解。

たっぷり料理してやるよ。

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料理されるのは、ゾロ


恥ずかしい…もんですね…


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